NVIDIAは、MaxwellとKeplerの違いをコア性能比で135%、電力性能比で2倍としている。また、これをKeplerと同じ28ナノメートルプロセスで実現した。Maxwellアーキテクチャの詳細は「NVIDIAの最新アーキテクチャ“Maxwell”を徹底解説」を参照していただくとして、ここではまずGeForce GTX 750 Tiの仕様から確認していこう。
GeForce GTX 750 Tiは、「GM107」と呼ぶコアを採用している。CUDAコア数は640基。768コアのGTX 650 Tiと比べると、128基も削減されている。およそ16%の削減だ。また、テクスチャユニットも40基に抑えられており、スペックで見るとGTX 650 Tiに対して見劣りする。ただし、GPUクロックは定格が1020MHz、Boostクロックが1085MHzとされ、こちらはより高クロックだ。
メモリ回りはGTX 650 Tiと同等で、GDDR5メモリを採用し、128ビット接続で5.4GHz相当で駆動する。メモリ帯域幅は86.4Gバイト/秒。ROPユニット数も16基で、GTX 650 Tiと同じだ。ほか、2次キャッシュの容量が異なる。GTX 650 Tiは256Kバイトだったのに対し、GTX 750 Tiは2048Kバイトに増加している。
電源部の特徴は、補助電源コネクタがない点。TDPは60ワットに抑えられ、PCI Expressバスからの給電で間に合う。GTX 650 Tiは、TDPが110ワットで、補助電源コネクタも6ピン1基を要したことから、同じセグメントでも、消費電力帯を1つ引き下げたと言える。
製品名 | GeForce GTX 650 Ti | GeForce GTX 750 Ti |
---|---|---|
コードネーム | GK106 | GM107 |
GPC | 2or3 | 1 |
SM | 4 | 5 |
CUDA Core | 768 | 640 |
テクスチャユニット | 64 | 40 |
ROPユニット | 16 | 16 |
GPUクロック(MHz) | 925 | 1020 |
Boost Clock(MHz) | - | 1085 |
メモリクロック(GHz) | 1350 | 1350 |
メモリタイプ | GDDR5 | GDDR5 |
メモリ接続バス幅(bit) | 128 | 128 |
メモリ帯域幅(GB/sec) | 86.4 | 86.4 |
メモリ容量(MB) | 1024 | 2048 |
L2キャッシュ(KB) | 256 | 2048 |
最大消費電力(TDP:W) | 110 | 60 |
補助電源レイアウト | 6 | - |
プロセス(nm) | 28 | 28 |
今回、GeForce GTX 750 Tiのリファレンスカードと比較をするのは、Radeon R7 260Xと、GeForce GTX 650の無印だ。GTX 650は、GTX 750 Tiよりも下のセグメントのGPUになるが、手元にあったので計測してみた。検証に用いた機材は以下の通り。
比較対象 | GeForce GTX 750 Ti | GeForce GTX 650 | Radeon R7 260X |
---|---|---|---|
CPU | Core i7-4770K | ||
定格クロック | 3.5GHz | ||
メモリ(速度) | DDR3-1600 | ||
マザーボード | ASUSTeK Z87-PRO | ||
チップセット | Intel Z87 | ||
ストレージ | OCZ Vector(Serial ATA 3.0、128GB) | ||
OS | Windows 8.1 Pro 64bit | ||
電源 | Seasonic SS-1000XP(80PLUS Platinum、1000W) | ||
まずは3DMarkから見ていこう。Ice Stormの3つのテストでは、R7 260Xが優位になったが、Cloud Gateで追いつき、Fire Strikeはほぼ同等のスコアとなっている。ただし、DirectX 9パフォーマンスが弱いわけではないことは、以降のゲームベンチマークを見れば分かる。
次はテッセレーションパフォーマンスのUnigine Heaven Benchmark。こちらのGTX 750 Tiの結果は、R7 260Xとほぼ同等といったあたりだ。30fpsを超えられないため画面はかなりカクカクしているが、下のセグメントのGTX 650よりは大幅にパフォーマンスが引き上げられている。
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