ウェアラブルでは、1月のInternational CESで発表した「SmartWear」ビジョンを中心に話をした。SmartWearは、ウェアラブル、Xperiaスマートフォン、「Lifelog」アプリの組み合わせによって実現するものだ。
「Activity Engine」というセンサーを搭載した「Core」をスマートリストバンド「SmartBand」に埋め込み、移動や睡眠などの活動を記録する。データはBluetoothでスマートフォン側に転送され、スマートフォンの「Lifelog」アプリに活動記録が残る。自転車に乗った場合はその時間に自転車のマークが表示され、消費カロリー、距離、さらには地図上に移動したルートを表示できる。受け取ったメールやソーシャルメッセージ、再生した音楽などの記録も残すことができ、replayボタンから1日を振り返ることができる。
One TouchでXperiaスマホに接続し、細かな設定も可能。「Lifelogにより、生活を面白い方法、ソーシャルな方法でビジュアル化する。過去を振り返ったり、現在を楽しんだり、自分の好みやパーソナリティを理解することで、使う人をサポートできる」(鈴木氏)
SmartBandは3月に世界で発売を開始する。ソニーは2014年にブラジルで開催される「FIFA World Cup」の公式スポンサーを務めており、これを記念した緑色の特別エディションも登場するという。
SmartBandの発売に合わせ、今後はソフトウェアエコシステムを強化していく。「SDKをまもなく提供し、Lifelogもオープンにしていく」と鈴木氏。ウェアラブルではパートナー、デザイナーとのコラボレーションも進めていく。「新しいウェアラブルをもたらし、コンセセプトを実現していく」とし、今後もこの分野を強化していく姿勢を示した。体験を広げていく取り組みも進めていく。その1つとして、「ハンズフリーで写真を自動撮影して、ビジュアルなブックマークを作成できる」というハンズフリーのスマートLifelogカメラのコンセプトを紹介した。
これまでウェアラブルはフィットネス分野で多く利用されているが、「ソニーのスマートウェア体験はフィットネスやヘルスをはるかに超える。ソニーならではのユニークな方法でエモーション(感情)もキャプチャできる」と鈴木氏。さらに、自身の体験として、これを付けることで「仕事、食事、就寝の生活と気がついた。生活をもっと楽しもうという気持ちにもなる」と苦笑まじりに感想を語った。
最後に、ソニーの代表取締役社長兼CEO 平井一夫氏が登壇した。平井氏は鈴木氏の発表内容を、1月のCESで自身が行ったプレゼンテーションに重ねてみせた。「CESで感動について語った。ソニーのユニークな創造性とイノベーションを土台に、製品とコンテンツを組み合わせることで、人々を感動させ、“WOW”と言ってもらう――今日の発表はそれを実現している」と満足顔で語る。
ソニーは先にPC事業の売却とテレビ事業の分社化など大規模な再編を発表したばかり。モバイルの重要度を見据えての決断であり、ステージ上でモバイル業界について「競争は激しいが、面白く、エキサイティングな業界」と述べ、「ソニーモバイルが今後も前進していくと確信している」と続けた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.