ベンチマークテストの結果を確認してみよう。評価機のスペックを改めて述べると、Atom Z3770(1.46GHz/2.39GHz)、Intel HD Graphics、メモリ2Gバイト、データストレージが32Gバイト、32ビット版Windows 8.1という内容だ。
eMMCにはHynixのHBG4eという製品が使われていたが、そのCrystalDiskMarkのスコアはeMMCとしては標準的なスコアである。Ultrabookなどが搭載しているSSDと比べるとかなり見劣るが、ランダムアクセスのスコアはHDDに比べれば格段に優秀であり、Windows 8.1の日常操作レベルでモタつきなどを感じることなく快適に使うことができる。

CPU-Zの画面。Bay Trail-T世代のクアッドコアAtom「Atom Z377」はバースト時2.39GHzで動作する(画面=左)。CrystalDiskMarkの結果。SSDには見劣るもののランダムアクセスは優秀(写真=右)そのほかのスコアも、比較用に掲載したARROWS Tab QH55/M(同じくAtom Z3770を搭載)より全体によいスコアが出ている。これはQH55/Mよりも本製品が優れているというよりは、ベンチマークテストやグラフィックスドライバの成熟などの理由と思われる。Atom Z3770搭載タブレットに期待される性能はしっかりと発揮できていることは間違いない。
BBench 1.01で計測したバッテリー駆動時間は8時間56分(残り5%で休止状態に入るまで)と公称値(約8時間30分)を上回った。タブレットとして十分実用的な駆動時間といえるだろう。
ファンレス仕様だが、発熱も問題は見られない。高い負荷をかけても裏面中央のロゴのあたりを中心にじんわりと熱をもつ程度であり、持ち手に不快な発熱を感じることはなかった。
※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定
※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%で自動的に休止状態へ移行するまでの時間を計測
明るく鮮やかな表示のWUXGA表示対応液晶ディスプレイは、画面の大きな10型クラスならではの魅力をしっかり感じられる。Atom Z3770を中心に必要十分な装備でシンプルにまとめることで、10型クラスとしてはスリムで軽量なボディ、そして入手しやすい価格に抑えていることが本製品の魅力だろう。
販売価格は、直販モデルで4万4800円、店頭販売向けモデルはMicrosoft Office Home and Business 2013をプリインストールして5万5000円となっており、コストパフォーマンスも高い。Windows 8.1タブレットを探しているユーザーにはぜひ検討をお勧めしたい製品だ。
| Omni10の主な仕様 | |
|---|---|
| 製品名 | Omni10 |
| メーカー | 日本HP |
| OS | 64ビット版Windows 8.1 |
| 本体サイズ(幅×高さ×厚さ) | 260×182×9.9ミリ |
| 重量(実測値) | 約650グラム(662グラム) |
| 画面サイズ(液晶方式) | 10.6型ワイド(IPS) |
| アスペクト比 | 16:09 |
| タッチパネル | 静電式 |
| デジタイザ | ─ |
| ディスプレイ解像度 | 1920×1080ドット(約208ppi) |
| CPU(コア数/スレッド数) | Atom Z3770(4/4) |
| 動作周波数 | 1.46GHz/最大2.39GHz |
| チップセット | CPU内蔵 |
| vPro | ─ |
| GPU | CPU統合(HD Graphics) |
| メモリ | 2Gバイト(DDR3/1066MHz デュアルチャンネル) |
| メモリスロット(空きスロット数) | オンボード |
| ストレージ(評価機実装) | 32GバイトSSD(Hynix HB4e) |
| ストレージフォームファクタ | eMMC |
| ストレージ接続インタフェース | eMMC |
| 光学ドライブ | ─ |
| 無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n |
| Bluetooth | Bluetooth 4.0+HS |
| NFC | ─ |
| センサー | 加速度、磁気、ジャイロ、周辺光、デジタルコンパス |
| 有線LAN | ─ |
| ワイヤレスWAN | ─ |
| キーボード | ─ |
| キートップ仕様・形状 | ─ |
| キーピッチ | ─ |
| キーストローク | ─ |
| ポインティングデバイス | ─ |
| 主なインタフェース | USB 2.0(Micro AB)×1、ミニHDMI出力×1、ヘッドフォン/マイクコンボ(3.5ミリ)、DC入力、Webカメラ(イン200万画素、アウト800万画素) |
| メモリカードスロット | microSDメモリーカード |
| SIMカードスロット | ─ |
| その他カードスロット | ─ |
| スピーカー(音質補正ソフトウェア) | ステレオ |
| マイク | 搭載 |
| 指紋センサー | ─ |
| セキュリティチップ | 搭載(TPM) |
| セキュリティロックポート | ─ |
| バッテリー動作時間 | 約8時間30分 |
| バッテリー仕様 | 31Wh |
| ACアダプタ実測サイズ | 52×49×28ミリ(幅×奥行き×高さ) |
| ACアダプタ実測重量(本体のみ/ケーブル込み) | 97グラム(ケーブル着脱不可、プラグ一体型) |
| ACアダプタ出力仕様 | 12ボルト/1.5アンペア |
| ACアダプタ対応電圧 | 100〜240ボルト(50/60Hz) |
| DC端子形状 | 丸形 |
| プラグケーブル端子形状(ACアダプタ側) | ケーブル着脱不可 |
| 防水/防滴 | ─ |
| カラーバリエーション | ブラック |
| オフィススイート | ─ |
| 価格 | 4万4800円(税別) |
| 発売日 | 2014年4月16日 |
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