北欧デザインと東芝の技術が融合――7スタイルPC「dynabook KIRA L93」を速攻チェックこんなPC、見たことない(2/2 ページ)

» 2014年06月10日 11時15分 公開
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第4世代Core Yシリーズ採用、高品位なディスプレイ+筆圧ペンにも対応

 CPUには第4世代Coreの中でも最大TDP(Thermal Design Power:熱設計電力)が11.5ワット、SDP(Scenario Design Power:利用シナリオに即した電力設計)が6ワットと、省電力で低発熱のYシリーズを採用。このCPUの選択がスリムな変形ボディの実現に貢献している。Core i5-4210Y(1.5GHz/最大1.9GHz)、8Gバイトメモリ(8Gバイト×1、PC3L-12800、オンボード)、128GバイトSSDといった基本スペックだ。

 着脱可能なBluetoothキーボードはPC本体と同様、アルミボディで剛性感ある作り。主要キーのキーピッチは19ミリ、キーストロークは1.5ミリと、薄型ノートPCでは余裕あるサイズを確保している(縦のピッチは若干狭い)。キーボードのFn+Zキーでバックライトのオン/オフが可能だ。キーボードのみの実測重量は519グラムだった。

 パームレストを省いたコンパクトなデザインなので、ポインティングデバイスはタッチパッドではなく、スティック型の「アキュポイント」を採用している。試作機に触れた限りでは、アキュポイントの感度は良好だった。左右ボタン一体型のクリックボタンは硬めで、意識してグッと押す必要がある。

 キーボードの公称バッテリー駆動時間は、待機時で約140時間、バックライト点灯時で約2.3時間、バックライト消灯時で約8時間と十分だ。PC本体に装着して充電する仕様で、充電時間は約3時間となる。

独特な変形機構を採用する関係で、パームレストがなく、キーボードが手前側に来るレイアウトとなっている(写真=左)。キーボードにはバックライトも搭載する(写真=右)
キーボードを取り外して黒いカバーを装着した状態の表(写真=左)と裏(写真=右)。スティック型のアキュポイントを採用することで、コンパクトにまとめている。本体と同様のアルミボディなので高級感がある

 ディスプレイはdynabook KIRA Vシリーズ同じ、2560×1440ピクセル(WQHD)解像度の13.3型ワイド液晶パネルを採用。約221ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)の高精細表示に加えて、出荷段階で1台ずつ色調整を行い、4Kディスプレイ搭載モデル「dynabook T954/89L」と同様、簡易カラーマネジメントソフト「Chroma Tune for TOSHIBA」も付属するなど、力が入っている。

 このディスプレイは静電容量式の10点対応タッチパネルに加えて、1024レベルの筆圧をサポートした電磁誘導式のワコム製デジタイザも備えており、手書きに最適化した太めの専用デジタイザペンと、本体に収納できる細いスタイラスペン(リザーブペン)が付属する。手書き入力へのこだわりも並大抵ではない。

 音質面ではdynabookおなじみのharman/kardonステレオスピーカー(DTS Studio Sound対応)をヒンジ部の手前に内蔵する。

dynabook KIRAのアイデンティティである高画素密度で1台ずつ個別に色調整されたディスプレイは健在(写真=左)。スケーリングの設定は、標準で200%の拡大表示だった。キーボードを取り外し、PC本体部を折り返したタブレットスタイルでは、アウトカメラが隠れないため、問題なく撮影が行える(写真=右)
本体に収納できる細いスタイラスペン(リザーブペン)は携帯性に優れる(写真=左)。さらに、しっかり握ってペン入力ができるよう、手書きに最適化した太めの専用デジタイザペンも付属する(写真=右)。太いペンは、グリップ部にあるボタンを押しながら画面に触れると、右クリックの動作になる。また、ペン先の反対側が消しゴムとして機能する
1024レベルの筆圧に対応した電磁誘導式のワコム製デジタイザにより、滑らかなペン入力が行える(写真=左)。付属のACアダプタは実測でのサイズが35(幅)×86(奥行き)×27(高さ)ミリ、重量が約199グラムとコンパクトにまとまっている(写真=右)。本体側のDC入力端子とはマグネットで吸着する仕組みだ

 通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/acの高速無線LAN、Bluetooth 4.0を標準装備。USB 3.0×2、4K対応のMicro HDMI出力、音声入出力、microSDメモリーカードスロット、約92万画素のインカメラ、約500万画素のアウトカメラを備えている。PC本体部はキーボード奥側の狭いスペースなので、HDMIやSDメモリーカードスロットをマイクロサイズにして詰め込んでいるが、USB 3.0はフルサイズのポートを2基確保しており、接続性に不満はない。

 電子コンパス、加速度センサー、ジャイロセンサー、照度センサーといったタブレットスタイルで有用なセンサー類も一通り内蔵している。

前面の左側にキーボード用電源スイッチとインジケータを搭載(写真=左)。背面には通風口のスリットを配置している(写真=右)
左側面にはACアダプタ接続用のDC入力、USB 3.0、音声入力の端子を装備(写真=左)。右側面にはUSB 3.0、microSDカードスロット、4K出力対応のMicro HDMI出力、PC本体の電源ボタンが並ぶ(写真=右)

 OSは64ビット版のWindows 8.1 Updateをプリインストール。オフィススイートのOffice Home and Business 2013、RAW現像ソフトのAdobe Photoshop Lightroom 5、イラスト/マンガ制作ソフトのCLIP STUDIO PAINT PROも付属し、写真編集やペン活用も想定したパッケージとなっている。

Web直販モデルはより高性能な構成も

 価格はオープン、実売価格は23万円前後(税別)の見込みだ。2つの変形機構を備えた新設計のアルミボディに、多彩な機能を盛り込んだため、さすがに高めの価格設定だが、dynabook KIRA L93だけの魅力を備えているのも確かだ。他に類を見ない設計のモバイルPCを製品化した東芝のチャレンジ精神をたたえたい。

 なお、東芝ダイレクトで取り扱うWebオリジナルモデル「dynabook KIRA L93/W9M」は、店頭販売モデルをベースとしつつ、CPUによりハイスペックなCore i7-4610Y (1.7GHz/最大2.9GHz)、ストレージに大容量の256GバイトSSDを採用する。また、Office Home and Business 2013の有無も選択可能だ。直販価格は24万1000円(税別)からとなっている。ハイスペック志向のユーザーはこちらも検討したい。


 以上、dynabook KIRA L93の変形機構を中心にチェックした。今回は試作機で概要を紹介したが、PC USERでは製品版を入手次第、ベンチマークテストの結果を含めた詳細なレビューを掲載する予定だ。


東芝ダイレクト 東芝ダイレクト

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