“家ナカ”利用の自由度を高める新提案――富士通PC春モデル発表会2015年PC/タブレット春モデル

» 2015年01月20日 18時18分 公開
[ITmedia]

 富士通は1月20日、既報の通り個人向けPCの2015年春モデルを発表した。

 ラインアップは、ワイヤレス液晶を付属する小型PC「FMV LIFEBOOK GH」、13.3型オールインワンモバイルPC「FMV LIFEBOOK SH」、13.3型の2in1 Ultrabook「FMV LIFEBOOK TH」、エントリー層向けUltrabook「FMV LIFEBOOK UH」、15.6型スタンダードノートPC「FMV LIFEBOOK AH」、21.5型オールインワンデスクトップPC「FMV ESPRIMO FH」の計6シリーズだ。

2015年PC春モデルの目玉機種は“新提案PC”「FMV LIFEBOOK GH」

 同日行われた発表会では、同社が進めるユビキタスビジネスの取り組みについて語られるとともに、PCの新しい活用方法を提案するFMV LIFEBOOK GHやクラウドサービスが紹介された。

FMV LIFEBOOK GHの使い方を実演する同パーソナルビジネス本部 本部長の竹田弘康氏。「IoTが進む中で今後ユーザーのニーズはさらに多様化するだろう」としたうえで「そうした“顧客がやりたいこと”をいち早く実現するのが我々の使命」(竹田氏)

さまざまなスタイルで活用できる新提案PC「FMV LIFEBOOK GH」

 春モデルで最も目を引くのが新シリーズのFMV LIFEBOOK GHだ。同製品はワイヤレス接続の15.6型フルHD液晶ディスプレイと、小型のPC本体を組み合わせた構成で、従来の「パソコンスタイル」だけでなく、ソファに横になって使う「タブレットスタイル」や、そのままスタンドに立てかけて家庭内サイネージのように利用できる「ボードスタイル」という3つの使い方を提案している。ユーザーインタフェース部(タッチ対応ディスプレイ)とPC部を分離することによって、大画面ディスプレイでもホームモバイル利用の自由度を高めているのが特徴だ。

15.6型のワイヤレスディスプレイと小型PCを組み合わせた「FMV LIFEBOOK GH」シリーズ

 もっとも、これまでにもワイヤレスディスプレイは存在した。ただし、従来技術では画面の追従や入力に対するレスポンスで課題があり、ユーザー体験の質で厳しい面もあった。これを解決したのが富士通の独自技術によって高速な画面転送を可能にした専用LSIだ。同社によれば最大約30メートルの距離で、高画質画像の画面転送と音声、そしてタッチ操作のレスポンスを1フレーム0.1秒を切る0.07秒で実現。「世界最速のワイヤレス技術」をうたう。

大画面のワイヤレスディスプレイを快適にタッチ操作できる。本体をリビングのテレビに接続し、家族でコンテンツを楽しむといったことも可能。キーボードやマウスはワイヤレスで、スマホでの操作にも対応しているため、自由なスタイルで活用できる。15.6型ディスプレイは、厚みがわずか9.8ミリ、重量も1キロ以下の980グラムに抑えられている

 富士通が得意とするヒューマンセントリック技術を盛り込んでいるのも特徴の1つ。PC本体に人感センサーを内蔵し、周囲(検知範囲はセンサー正面から水平120度、距離2メートル)の温度変化からユーザーを感知することで、自動的にクラウドサービス(MyCloud)に保存した写真を表示したり、ユーザーが使いたいときにすぐに起動できる。このほか、NFCを内蔵し、対応スマートフォンと連携できるのもトピックだ。

高速画面転送技術や人感センサーなど、富士通の独自技術が盛り込まれている

 一方、PC本体は、テレビの脇に設置してもじゃまにならないサイズながら、スペックは高い。CPUに4コア/8スレッド対応のCore i7-4712H(2.3GHz/最大3.3GHz)を搭載するほか、1TバイトHDD×2台を備えており、自動バックアップでデータを2重化して保護可能だ。スロットイン式のBlu-rayドライブも内蔵する。

本体左側面と右側面。左側面にBlu-ray Discドライブを内蔵し、右側面にメディアスロットやUSB 3.0×2、ヘッドフォン、マイクを搭載

 このほか、発表会では独自のクラウドサービス「MyCloud」に加わった「MapMark」のデモや、同時発表された各新モデルに加えて、法人向けモデルや法人利用を提案する新技術のデモ展示も行われていた。

「MyCloud」に加わった「MapMark」は、モバイル向けにアプリも配信。Webブラウズ中の飲食店情報や観光地などをボタン1つで地図にプロットし、自分用にカスタマイズされた地図を作成できる。言語解析技術によって、Webページ内の住所を自動抽出するため、手軽に場所を登録して、後から閲覧したり、そこを訪れる際のナビゲーションにできる

第5世代Coreを採用した13.3型オールインワンモバイルPC「FMV LIFEBOOK SH」(写真=左)と、4つのスタイルで活用できる13.3型2in1 Ultrabook「FMV LIFEBOOK TH」(写真=右)

発表会場には企業向け製品/サービスの展示も数多く並んでいた。小型化された静脈認証センサー内蔵ノートPC

法人向けの展示では、耳につけたセンサーから運転者の眠気を感知するウェアラブルセンサーやタブレットの防水性能を実証するデモも行われていた

 なお、同日発表された個人向け製品各モデルの詳細や実売価格については、「“小型PC+ワイヤレス液晶”の新スタイルPC登場、第5世代Coreの高性能モバイルノートも――富士通「FMV」春モデルの見どころ」を参照して欲しい。


富士通 LIFEBOOK GH 富士通 FMV LIFEBOOK SH

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