富士通は1月20日、既報の通り個人向けPCの2015年春モデルを発表した。
ラインアップは、ワイヤレス液晶を付属する小型PC「FMV LIFEBOOK GH」、13.3型オールインワンモバイルPC「FMV LIFEBOOK SH」、13.3型の2in1 Ultrabook「FMV LIFEBOOK TH」、エントリー層向けUltrabook「FMV LIFEBOOK UH」、15.6型スタンダードノートPC「FMV LIFEBOOK AH」、21.5型オールインワンデスクトップPC「FMV ESPRIMO FH」の計6シリーズだ。
同日行われた発表会では、同社が進めるユビキタスビジネスの取り組みについて語られるとともに、PCの新しい活用方法を提案するFMV LIFEBOOK GHやクラウドサービスが紹介された。
春モデルで最も目を引くのが新シリーズのFMV LIFEBOOK GHだ。同製品はワイヤレス接続の15.6型フルHD液晶ディスプレイと、小型のPC本体を組み合わせた構成で、従来の「パソコンスタイル」だけでなく、ソファに横になって使う「タブレットスタイル」や、そのままスタンドに立てかけて家庭内サイネージのように利用できる「ボードスタイル」という3つの使い方を提案している。ユーザーインタフェース部(タッチ対応ディスプレイ)とPC部を分離することによって、大画面ディスプレイでもホームモバイル利用の自由度を高めているのが特徴だ。
もっとも、これまでにもワイヤレスディスプレイは存在した。ただし、従来技術では画面の追従や入力に対するレスポンスで課題があり、ユーザー体験の質で厳しい面もあった。これを解決したのが富士通の独自技術によって高速な画面転送を可能にした専用LSIだ。同社によれば最大約30メートルの距離で、高画質画像の画面転送と音声、そしてタッチ操作のレスポンスを1フレーム0.1秒を切る0.07秒で実現。「世界最速のワイヤレス技術」をうたう。
富士通が得意とするヒューマンセントリック技術を盛り込んでいるのも特徴の1つ。PC本体に人感センサーを内蔵し、周囲(検知範囲はセンサー正面から水平120度、距離2メートル)の温度変化からユーザーを感知することで、自動的にクラウドサービス(MyCloud)に保存した写真を表示したり、ユーザーが使いたいときにすぐに起動できる。このほか、NFCを内蔵し、対応スマートフォンと連携できるのもトピックだ。
一方、PC本体は、テレビの脇に設置してもじゃまにならないサイズながら、スペックは高い。CPUに4コア/8スレッド対応のCore i7-4712H(2.3GHz/最大3.3GHz)を搭載するほか、1TバイトHDD×2台を備えており、自動バックアップでデータを2重化して保護可能だ。スロットイン式のBlu-rayドライブも内蔵する。
このほか、発表会では独自のクラウドサービス「MyCloud」に加わった「MapMark」のデモや、同時発表された各新モデルに加えて、法人向けモデルや法人利用を提案する新技術のデモ展示も行われていた。
なお、同日発表された個人向け製品各モデルの詳細や実売価格については、「“小型PC+ワイヤレス液晶”の新スタイルPC登場、第5世代Coreの高性能モバイルノートも――富士通「FMV」春モデルの見どころ」を参照して欲しい。
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