クリスマスまであと3週間。クリスマス商戦に向け、各社が個性の光る広告を次々と打ち出しています。
その中でも、米Microsoftが12月1日に公開したホリデーシーズン向けCMは、ライバル企業のAppleが登場するというちょっと珍しい内容です。
ニューヨーク5番街にあるMicrosoftの旗艦店に集まったのは、各州から選ばれた同社の従業員たち。
レッドやグリーンなど、Microsoftのロゴカラーの帽子を被った彼らは、「“古くからの友人”に特別なメッセージを届ける」ため、続々と店舗を出ていきます。
歩いて向かった先は、同じ5番街の数ブロック離れたApple Store。ライバルの店舗前に到着したMicrosoftの従業員たちは、地元の少年少女合唱団とともに、クリスマスキャロル「Let There be Peace on Earth」(地には平和)を歌い始めました。
歌声を聞きつけ、Apple Store店内から続々とスタッフが出てきました。ビデオには思い切りAppleのロゴが映り込んでいて、シチュエーションだけを考えるととてもシュールです。
歌が終わり、歓声と拍手が沸き起こります。Apple Storeスタッフの中には、喜びのあまりMicrosoftの従業員にハグする人も。
長年熾烈なライバル競争を続けている両者が向かい合い、世界平和を願う歌を歌い、信頼のハグをする。ここまでどストレートにいちゃいちゃされたら、批判するのも野暮ってものですね。
近年は両者の関係性が少しずつ変わってきています。今年9月にAppleが開催したスペシャルイベントでは、iPad ProのデモンストレーションにMicrosoft Officeが使われ話題となりました。
Microsoftが「Surface Pro 3」のCMでMacBook Airと比較し揶揄(やゆ)する一方、Appleのティム・クックCEOは、Surface bookを中途半端だと断じたこともありましたが、両者の批判合戦はお決まりのパフォーマンスのようなもの。その普段のパフォーマンスを逆手に取ったのが今回のCMと言えそうです。
ちなみに2015年のAppleのホリデーシーズン向けCMは、スティービー・ワンダーを起用した超豪華な内容です。MicrosoftのCMとどのくらい制作費に差があるんでしょうね(ゲス顔)。
来年、AppleとMicrosoftの関係はどのように変化しているのか楽しみですね。
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