ピクセラといえば、PC用のテレビチューナーやビデオキャプチャーといったPC周辺機器の印象が強いが、同社が2015年10月に発表した「AR/VR事業」を皮切りに、さまざまな新規事業へ乗り出している。
2月24日に開催した事業発表会では、新たに「IoT事業」と「翻訳事業」に関する数々の新サービスを発表した。いずれもサーバ技術を基盤としたもので、同社によれば「ピクセラはハードウェアからソフトウェア、ドライバに至るまで、社内で一貫して開発できる点が強み。1人でも多くの方にピクセラのプラットフォームをご利用いただいて、皆さまと一緒に面白いものを作りたい」と表明している。今回は発表された中から注目製品をピックアップしてお伝えする。
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IoT事業からは、気軽にホームセキュリティやHEMS(ヘムズ:Home Energy Management System、住宅用エネルギー管理システム)を自宅に導入できるゲートウェイ「Z-Wave ゲートウェイ(PIX-GW100Z)」が登場した。
人感、温度、湿度、照度、衝撃、紫外線といった情報を収集できるマルチセンサー機器や、LED電球、開閉センサー、電力メーター、スマートロック、電動カーテンといった多彩な機器とゲートウェイを組み合わせることで、同社のIoTサーバを通してスマートフォンから室内の情報を得たり、さまざまな機器との連動が可能になる。機器との通信は、IoT無線規格であるZ-Waveを採用する。
特に注目したいのが導入費用だ。契約期間が最低2年といった制約は存在しながらも、初期費用が0円、スターターキットの機器代も含めても月額費用が500円からという手頃な価格設定が魅力だ。今住んでいる自宅へ導入すれば、お手軽にスマートハウスを実現できる。4月よりピクセラオンラインショップで発売予定だ。
その他、無線LANアクセスポイントとしても利用できるLTE対応無線LANアダプターも発表している。
ピクセラの翻訳事業が参考出展したのは、外国人とのコミュニケーションを支援する店舗向けタブレットだ。タブレットに向かって話すことで、日本語から英語、中国語、韓国語に相互翻訳し、テキストと音声出力を同時に行うアプリとなっている。
音声翻訳と言えば、「Google翻訳」アプリを思い浮かべるが、こちらは対面式のUIが特徴で、翻訳サーバとのやりとりも非常に高速のため、翻訳がスムーズだ。
さらに、地上デジタルチューナーに翻訳機能を加えた「テレビ字幕翻訳STB」も参考出展した。放送の字幕を翻訳サーバによって英語、中国語、韓国語に翻訳し、瞬時に画面上へ表示できるというものだ。ホテルや空港、案内板など、外国人がよく訪れる場所での利用シーンを想定しているという。
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