小縣氏は「Appleのこの素晴らしいiPhone、それからApple Watch。それに我々が張り巡らせている自動改札、コンビニの電子マネー端末といったインフラの連携は必ず大きな花を咲かせる」と自信をのぞかせる。
今回の発表は、筆者にとっても感慨深い内容だ。筆者は長年、iPhoneにFeliCaを搭載し、Suicaが使えるようにしてほしいと考え、新型iPhoneの記事を書く度、Appleの開発陣や経営陣に届けとばかりに、Suicaに対応して欲しいという旨の一文を記事中に盛り込んできた。
2008年ごろには、サードパーティとの協力体制で、それを実現するための“幻の製品開発”に関わったこともある。ラッシュアワーの東京で駅の改札をさばくことができるSuicaの品質は今なお世界に誇れる技術であり、最近、海外で採用が進んでいるNFCでの改札サービスなど、後発のサービスと比べても圧倒的に素晴らしい。この技術に海外の人が触れる機会が増え、その価値が認められれば、このSuicaの決済方法だけでなく、改札なども含めた日本の技術を海外に輸出することにもつながっていくかもしれない。
いずれは、ぜひともそうなるようにがんばって欲しいと小縣氏に伝えると、Appleとの関係はまだ始まったばかりだが、長期的なものになるとした上で、JR東日本としてももちろん、そうした方向を目指している、と語ってくれた。
東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には、世界から日本を訪れる人たちもSuicaの便利さに触れてもらえることを期待しながら、まずは両社の協力の第一弾として、10月下旬、再創造されたSuicaがiPhone 7とApple Watch Series 2で利用可能になる日を楽しみに待ちたい。
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