Halo Keyboardには、キーボードの「配列(レイアウト)」がしっかりと用意されている。しかし、タッチセンサー自体には物理的な境界線がないため、実際のキーの位置からはみ出してタッチしてしまう可能性は否定できない。ここで誤った入力結果が反映されてしまったら、ストレスがたまって生産性は「だだ下がり」だ。
その対策として、Halo Keyboardには「エルゴノミック・バーチャル・レイアウト(E-VL)」という概念を導入している。これはユーザーのタイピングの「くせ」を常時学習して、そこから固定配列から矛盾しない範囲で不可視の「仮想配列」を生成することで、より正確なキー入力を実現する、というものだ。
E-VLにおける学習は、入力履歴を記録しないことが大きな特徴だ。これにより、大きく以下のようなメリットがある。
特に、キーロガーとして機能しない点については重要だ。キーボードはパスワードを始めとしてセンシティブな情報を入力することも多い。だからこそ、入力履歴を取らないことこだわったという。
このように、物理キーボード並みの操作性を確保すべく、Halo Keyboardはさまざまな工夫を盛り込んでいる。しかし、実際に使ってみないとその成否は分からない。
そこで、R&T Japanでは、アメリカ、中国、EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)と日本からそれぞれ10人ずつ(計40人)、モニターを募りテストを実施した。40人のモニターのうち半数の20人は20代、残りは30代以上で、全員YOGA BOOKに触れたことのない人たちだ。比較対象は「小型Bluetoothキーボード」「2in1 PCのカバーキーボード」「スクリーンキーボード」で、モニターはそれぞれのキーボードで指定された英文を入力していく。
その結果、Halo Keboardの文字入力スピードは「151文字/分」で、Bluetoothキーボードの「149文字/分」とほぼ同等となった。タイピングエラー率は「7.1%」で、Bluetoothキーボードの「6.4%」とカバーキーボードの「7.4%」の中間だった。つまり、物理キーボード並みの入力性は確保できているということになる。
筆者もYOGA BOOKを1週間ほど試用した際にHalo Keyboardで文字入力したことがあるが、10型タブレットのスクリーンキーボードよりもタイプミスはグンと少なくなった。日々の取材メモや記事の下書きには十分なレベルだ。ペンタブレット機能を併用すれば、取材用マシンとしてこれほど理想的なものはない。財布に余裕があれば、すぐに買いたいほどだ。
一部の家電量販店では、Android版またはWindows版(YOGA BOOK with Windows)を実機展示している。大きめの店舗なら、Android版とWindows版の両方を展示していることもある。ぜひ、足を運んでHalo Keyboardの出来の良さを体感してもらいたい。
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