Windows 10 Mobileの終わりとMicrosoftの生きる道鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)

» 2017年10月12日 06時00分 公開
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隠し球の「Andromeda」は救世主にあらず?

 ここで気になるのが、Microsoftが開発中であるモバイルOSの隠し球と言われる「Andromeda OS」(仮称)だろう。しかし筆者の予想では、これがWindows 10 Mobile(が本来狙っていたターゲット)の代替になる可能性は低い。

 理由としては、モバイルOSの市場は既に収束しており、新しいOSが介在する余地がほぼないこと、そして何よりAndromeda OSの掲げる「モジュラーOS」というコンセプトは、必ずしも昨今のスマホ市場の状況にはフィットしないことが挙げられる。

 筆者は「(周辺市場を含めた)Androidエコシステム対抗」がAndromedaの狙いとみているが、その組み込み市場におけるノウハウは既にAndroid上で多く蓄積されつつあり、Microsoftが想定する形でOEMを巻き込めるかは未知数だ。

 従って、当面のMicrosoftの戦略としてはクラウドサービスに主軸を置き、このフロントエンドとなるアプリやサービスをAndroidやiOSを含む、広いプラットフォームに提供していくことが重要だと考えている。

 「HoloLens」のようにカテゴリーとして未熟な分野はMicrosoft自身がカバーするとして、モバイル分野はバックエンドを担うのが同社の進む道だろう。サティア・ナデラCEOはクラウド戦略を非常に重視しているが、まさにそれが今後Microsoftがしばらく生き残っていくための道なのだ。

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