Microsoft製品の中では、「Surface Book 2」の存在感が光った。第8世代Coreの搭載により、ようやく、大柄なボディーやギミック、クリエイター向けという想定ターゲットに見合うだけパワーを身に着けたと言える。
美しいデザイン、画面部分だけを外して使えるギミック、ペンの書き味の良さは健在だ。ディスプレイ出力も可能なUSB Type-Cも装備し、先代モデルより格段に魅力の大きいモデルになったことは間違いない。
「Surface Pro」については、Core i5モデルがファンレスになったことが大きい。タブレットとしての運用を考えると、やはりファンレスの扱いやすさは格別だ。第7世代Coreの電力効率の良さは、バッテリー駆動時間の延長含め、総合的な使い勝手の良さにつながっている。法人向けではLTEモデルも追加され、モバイル向けデバイスとしての魅力は格段に向上した。
一方、Surface ProではUSB Type-Cの搭載は見送られた。欲を言えば、ドックの接続、充電、ディスプレイ出力、これらを全てUSB Type-C(あるいはThunderbolt 3)でまかなえるようになってほしい。
リーズナブルなクラムシェル型のSurfaceとして、「Surface Laptop」も登場した。Surface Bookでは高価過ぎるというユーザーには朗報だ。
ただ、これはプリインストールOSが「Windows 10 S」という点に注意したい(2018年3月までWindows 10 Proに無料アップグレード可能)。期間限定で無料アップグレードができるとはいえ、Windows 10 Sの仕様制限で少し勢いをそがれてしまった感は否めない。
また、あくまで個人的な好みだが、パームレストのアルカンターラ素材も疑問だ。ノートPCにこのような手触りは求めていないし、これによって見た目の統一感が損なわれている印象を受ける。
ゲーミングノートPCは、NVIDIA GPUがPascal世代になって飛躍的に進歩した。GeForce GTX 1070までのGPUならば、さほど大きなボディーでなくとも無理なく収まるようになっている。
NVIDIAはさらに電力制御の仕組みを薄型のフォームファクター向けに最適化した「Max-Q」技術を投入している。ASUSの「ROG ZEPHYRUS(GX501)」など、GeForce GTX 1080やGeForce GTX 1070(のMax-Q版)を搭載しながら薄型を実現したゲーミングノートPCも登場した。
ただ、GeForce GTX 1070以上のGPUを搭載する以上、それなりに高度な冷却は必要だし、ACアダプターはかなり大きくならざるを得ない。動作音を考えても、現時点ではあまり薄型化を突き詰めたモデルよりも、もう少しボディーサイズが大きい方が、より落ち着いて良い体験でゲームを楽しめると感じる。
数あるゲーミングノートPCの中でも、MSIの「GE63VR 7RF Raider」を取り上げた理由は、そうした「少し余裕あるサイズでゲーミング向けに十分なスペックを持つ」製品であることに加えて、何と言っても液晶ディスプレイが美しいことだ。
120Hz(応答速度3ms)というゲーム向きのスペックだけでなく、NTSC比94%と色域も広く、見た目にも明るくパキッとしていて、とにかくプレイしていて気分がいい。
さらに、高音質DACを搭載したサブウーファー付きのステレオスピーカー、高度なカスタマイズができるRGB LEDキーボード、思い切り冷却を強化できる「Cooler Boost」などさまざまな付加価値を上乗せして、ワンランクもツーランクも違うゲーミング体験ができる製品に仕上がっている。
Intelが8月に発表したUシリーズの第8世代Core(開発コード名:Kaby Lake R)は、これまでのデュアルコアがクアッドコアになって性能がジャンプアップした。薄型軽量ノートPCの活用シーンを一気に広げるポテンシャルを秘めている。
既にSurface Book 2などの搭載製品が登場しているが、まだ各社から製品が出そろったとは言えず、これからが本番だろう。
AMDはこの対抗としてRyzen Mobileを発表済みで、搭載モデルの国内発売が待たれる。
さらに、今後は高性能ノートPC向けの第8世代Core Hシリーズの投入も公式に予告されており、それを搭載したハイパフォーマンスの製品も楽しみだ。
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