米Googleは5月8日(米国太平洋夏時間)、Androidの次期バージョン「Android P」を発表した。同日から、同社の「Pixel」シリーズのスマートフォンの他、「Xperia XZ2」「Essential PH-1」といった一部サードパーティー製Androidスマホにおいてβ(ベータ)テストを行っている。
Android Pは「Packed with smarts and simpler than ever(スマートさと今まで以上のシンプルさ)」を特徴としており、以下のような新機能が搭載された。
「Adaptive Battery」は、Googleが2014年に買収したイギリスDeepMindと共同で開発した技術。よく使うアプリに優先して電力供給を行う(処理リソースを割く)一方、利用頻度の少ないアプリへの電力供給を抑えることでバッテリー持ちを改善する。
「Adaptive Brightness」は、従来から多くの端末に備わる画面輝度の自動調整機能に機械学習を組み合わせたもの。ユーザーによる輝度スライダーの「動かし具合」とその時の周囲の状況を合わせて記憶することで、輝度の自動調整に反映させることができる。
「App Actions」は、ユーザーの行動から次に起動するアプリやサービスを自動で勧める機能。公式ブログでは「イヤフォンを本体に接続すると、Spotifyのお気に入りプレイリストが表示される」という例が説明されている。
この機能はホーム画面の他、テキスト選択画面、Google Play、Google検索/Googleアシスタントの画面で有効となる。
「Slices」は、Google検索から別アプリのアクションを表示できる機能。
従来のGoogleアプリでは、端末内のアプリ検索は可能だったが、その先のアクションはアプリ名をタップして起動しないと行えなかった。しかし、Slices対応のアプリでは、アプリのアクションを検索サジェスチョンの一部として表示可能で、アプリ起動後の操作が一部省ける。
Android 3.0(4.0)以降を搭載する端末では、システムキーのうち「戻る」「ホーム」「アプリ履歴(タスク)」を「ナビゲーションバー」として画面内に表示することが原則となっている。
昨今の端末の“縦長化”などを踏まえ、Android Pではナビゲーションバーがリニューアルされる。具体的には以下のような変更が行われる。
新規搭載となるOverviewでは、テキスト選択も可能となる。
「テクノロジーが人の生活をダメにすべきではない」という観点から、Android Pでは端末の使いすぎを抑制するための機能を3つ新規搭載する。
まず「Dashboard」は、端末の利用時間を分かりやすく図示してくれる機能。どんなアプリをどのくらい使っているか一目ですぐ分かる。端末ロックを解除した回数や通知の受信回数もチェックできる。
それを見た上で「App Time」を設定しておけば、特定のアプリの起動上限時間を設定できる。制限時間が近づくと、警告が出たりアプリアイコンがグレーアウトするようになっている。
さらに「Wind Down」で就寝時間を設定しておくと、画面がグレーアウトして就る時間だと伝えてくれる上に、「Do Not Disturb(通知オフ機能)」を自動的に有効化してくれる。
Do Not Distrub自体も機能拡充しており、有効にしている間に通知を画面表示しない設定や端末を伏せて置くだけで有効化できる機能が追加される。
Android Pのベータテストは、以下の端末を対象に実施する。
ベータテストに参加する方法は「Android P Beta 端末」ページにまとめられている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.