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「Windows 10X」の正体は? Chrome OSの対抗? ほぼ無償? 2020年1月?連載:Windowsフロントライン(3/3 ページ)

» 2019年10月28日 07時30分 公開
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ライセンシングモデルと出荷時期

 情報が一部流出したとはいえ、Windows 10Xそのものにはまだまだ謎が多い。例えば最初に紹介したスクリーンショットには、「View in Proteus」というキーワードのリンクが見られるが、そもそも「Proteus」というキーワードが何を意味しているのかが分からない。

 Proteus(プロテウス)とは、ギリシャ神話に登場する海の神の名称だが、これまでSantoriniで出てきたキーワードの数々はギリシャ神話由来のもので(Santoriniはギリシャの島の名称)、このあたりの開発コード名で周辺を固めているのだろう。

 つまり、関連ツールやプラットフォームを指す名称としてギリシャ神話由来のキーワードが今後も頻出する可能性があり、これらをウォッチしていると、今後リンクしてくる可能性が高いと考えていいのだろう。

 興味深いのは、ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏も触れているように、「Windows 10Xがどのような形でOEMに出荷されるのか」という点だ。

 一般に、Windows 10はマーケティング要素がなければOEMが出荷するデバイスに対して“高価”でライセンスが付与されるが、2画面デバイスであれば“有償”、クラムシェル型ノートPCであれば“低価格”になるのではないかと同氏は予想している。

 かつて、Windows Liteと呼ばれていたOSはChrome OS対抗を目指しており、SantoriniことWindows 10Xがその後継を担うならば、デバイス価格を引き下げてライバルに対抗するために、当然ライセンス価格の引き下げに向かう。無償となるかは不明だが、Launcherの機能との組み合わせで“広告“的な機能を持たせることで、ほぼ無償に近い形を実現するのではないかと筆者は予想する。

 なお、同氏はWindows 10Xのリリース時期について当初「20H2」と述べており、ホリデーシーズン直前になるとの見解を示していた。このバージョンのOSの開発コード名は「Manganese」と呼ばれているようだが、これについて前述のボーデン氏は「20H1」がManganeseとしており、両者で食い違いがみられた。だが後に修正し、やはりWindows 10Xのベースになるのは「20H1」であり、これがManganeseであるとしている。

 そうなると、開発者向けプレビューが行われるタイミングが重要になり、早ければ年明け早々、遅くとも4月にはかなり広範囲の開発者に提供が行われることになる。これは2020年5月に開催されるとみられるBUILDカンファレンスよりも前のタイミングであり、その前のタイミングで何らかのプレビューが改めて行われる可能性があるのではないかと考える。

※記事初出時、一部表記で誤りがありました。おわびして訂正します(2019年10月28日午後8時20分)。


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