最後に、本製品の特徴であるバッテリー駆動についてもチェックしておこう。本製品はバッテリーでの駆動にも対応しているが、決してバッグに詰めて出張や旅行に持参するわけではなく、ホームパーティーのために庭やバルコニーに持ち出すといった使い方が想定されている。
前回紹介したように、本製品は電源ジャックを差し込むのではなく、チャージベースに乗せて給電を行う。そのため、本製品を持ち出す時も、ジャックを抜き差しする必要はなく、背面の凹みの部分を引っ掛けて持ち上げるだけで簡単に移動させられる。
気になるのは、Wi-Fiが届かない環境で本製品がどのように駆動するかだ。他社のスマートスピーカーでもバッテリーを搭載したモデルはあるが、それらは別の部屋に移動させて使うのが主用途だ。
これに対して本製品は、「屋外でのバーベキューやプールパーティーなどにも最適」とユーザ−ガイドにあるように、Wi-Fiの電波が届かない、または届きにくい場所で使うことを前提にしているようだ。そのような場合、通信はどうするのだろうか。
正解は「Bluetoothに切り替える」だ。本製品は、Wi-Fiが使えない環境ではBluetoothスピーカーへと早変わりし、スマホ経由で音楽を再生できるようになる。言い方を変えると、屋外に持ち出してWi-Fiから切り離した段階で、本製品はスマートスピーカーとしての機能は使えなくなってしまう。
それじゃ意味がないのでは、と思う人もいるかもしれないが、ここで注目したいのは、クラウドにつながっているか否かを問わず、Bluetoothスピーカー機能が使えることだ。一般的なスマートスピーカーは、クラウドと連携していない状態では、音声アシスタントはもちろん、Bluetoothスピーカー機能まで利用できなくなってしまう。
これに対して本製品は、クラウドに接続できなくても、Bluetoothスピーカーとしてはそのまま利用できるのだ。これならば、将来的に買い替えなどで本製品を使わなくなっても、Bluetoothスピーカーとして使い続けられる。「つぶしが利く」という意味で、これは大きな武器だ。
ちなみに、バッテリーの容量は2420〜2500mAhということで、中程度の音量ならば10時間の連続再生が可能とされている。同じくバッテリー駆動のJBL「Link Portable」が4800mAhものバッテリーを内蔵していることを考えると少なめに見えるが、これはおそらく、Bluetoothでの通信と音声出力にしかバッテリーを使わないためだろう。
その場合、仮に夜持ち出して翌朝まで使うにしても、音楽を一晩流すという使い方は考えにくいので、通常利用には十分だろう。逆に言うと(今回は試していないが)室内でスマートスピーカーとしてバッテリー運用しようとすると、長時間使えない可能性もある。その場合、背面下部にあるUSB Type-CポートからUSB Power Delivery(最大45W)で充電を行う方法も併用するとよい。
なお、本機は30分以上未使用だと自動的にサスペンドに入るが、背面の電源ボタンを使って、手動でサスペンドすることも可能だ。実際に試した限りでは、自動のオン/オフに任せておいていいように感じた。
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