未来を創る「子どもとプログラミング教育」
コラム
» 2020年04月16日 12時30分 公開

「プログラミング教育」が必修化されたのはなぜ? それを支える「GIGAスクール構想」とは?短期集中連載「プログラミング教育とGIGAスクール構想」 第1回(3/4 ページ)

[石井英男,ITmedia]

新型コロナウイルスによる休校で加速する「GIGAスクール構想」

 新しい学習指導要領の完全実施に伴い、小中学校では「学習用端末」の整備が必要となる。2018年度から始まった「教育のICT化に向けた環境整備5カ年計画」に基づき、今までも「3クラスにつき1クラス分の端末」の配備が進められてきた。

 しかし、それでは端末台数、実現時期ともに十分ではないという政府の判断により、2019年12月に発表されたのが「GIGAスクール構想」である。

 GIGAスクール構想は、小中学校において「1人1台の学習用端末」と「高速大容量の通信」を2023年度までに一体的に整備することを目指している。高速大容量の通信については、高等学校も整備対象に組み入れられている。

ネットワーク GIGAスクール構想に含まれている高速大容量通信は、「クラウドサービスの利活用」「10Gbps以上の有線LANと、それにつながるWi-Fi(無線LAN)での校内ネットワークの構築」の2点が整備上の大きなポイントとなる(後者はLTE/5Gによる通信で代替することも許容)

 学習用端末は「標準仕様」も示されている。推奨OSは「Windows 10 Pro」「Chrome OS」「iPadOS」の3つで、それぞれのOSについて推奨される(最低限満たすべき)仕様も定義されている。

 各PCメーカーは、この仕様に準拠したWindows 10 PCやChromebookを相次いでリリースしている他、プラットフォーマー(日本マイクロソフト、グーグル)やPCメーカーなどが標準仕様を満たした学習用端末と教育プラットフォームを一括して提供するパッケージの提供を表明している。

学習用端末の標準仕様 文部科学省が示す学習用端末の標準仕様。「あれ、スペックが意外と低い」と思うかもしれないが、各プラットフォーマーと相談した上で決められたものだという

 「1人1台の学習用端末」を実現するために、GIGAスクール構想では端末の購入時に1台当たり最大4万5000円の補助金が支給されることが決まっている。先述したプラットフォーマーやメーカーなどによるパッケージは、原則としてこの補助金の範囲内で調達できるように工夫がなされている。

 構想は当初、以下のような「4カ年計画」で進められる予定だった。

  • 2020年度:公立小中学校の約8割と公立高校の全てに高速ネットワークを整備し、小学5年生、小学6年生、中学1年生に学習用端末を1人1台配備
  • 2021年度:中学2年生と中学3年生に学習用端末を1人1台配備
  • 2022年度:小学3年生と小学4年生に学習用端末を1人1台配備
  • 2023年度:小学1年生と小学2年生に学習用端末を1人1台配備(配備完了)

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休校が長引きそうな状況を踏まえて、この計画は前倒しされることになった。

 4月7日の臨時閣議で決定した「緊急経済対策」における2020年度の補正予算では、学校休業時における子どもたちの「学びの保障」のために2292億円が計上されている。これが可決された場合、2020年度(今年度中)に小中学校の全ての学年において学習用端末の配備が完了することになる。この2292億円には、ネットワーク環境のない家庭に対するモバイルWi-Fiルーターの貸与や、学校で用いるカメラ、マイクや通信機器の整備支援に関する費用も含まれている。

当初計画 GIGAスクール構想の当初計画。2020年度に高速ネットワーク環境を重点的に整備し、同年度から4年間かけて学習用端末を配備していく予定だったが……
補正予算措置 2020年度補正予算において、学習用端末の全学年年度内配備と、学校の休校が長引くことを想定したオンライン学習環境の整備などが盛り込まれた

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