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「テレワークの新しいマナー」なんていらない:そろそろ会議やめませんか(1/3 ページ)

» 2020年04月20日 08時30分 公開
[西田宗千佳,ITmedia]

 新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、多くの人々が出社せず、いわゆるテレワークを活用するようになった。

 もちろん、物流や販売、工事の現場など、テレワークが導入できない職種もたくさんある。最前線である医療現場はいうまでもない。そうした人々が少しでも安心して働けるよう、「できる人は可能な限りテレワークを実現する」のが今のフェーズだと思う。

 一方で、テレワークについて「こうしなければいけない」というマナーについての議論が出始めているのが気になる。

 筆者は真剣にこう思う。

 「テレワークのための新しいマナーなんていらないんじゃないか」と。

 今回は、その意味と価値について考えてみよう。

Zoom 筆者はSnap Cameraを使い、多くのビデオ会議でバーチャル壁紙を使っている

テレワークに「無用なマナー」を持ち込むな

 現在のテレワークは完璧なものではない。

 テレワーク/テレイクジステンス(遠隔存在)を多数取材してきて、日常的に「どこでも仕事できる」ことを旨としてやってきた筆者のような自営業者の目から見ても、「実践してみるとやりにくい部分もあるな」とは思う。

 特にビデオ会議などでは、今までの「実際に会って行う会議」との違いから、やりにくさ/違和感を覚える人も少なくないだろう。それは、技術的/方法論的な面で、やはりまだ至らない点があるせい、ということもできる。

 ただ同時に、「オンラインだとマナーが欠けているから」という視点を持ち込まれることには、強い危惧も覚える。

 「オンライン会議を終わる時、取引先や目上の人がログアウトするまで出ない」

 「相手に不快感を与えないよう、背景はバーチャル背景を使わなければならない」

 「例え画面越しであっても、相手の目をしっかり見て話す」などだ。

 そんなことを主張する記事も出始めている。

 実に馬鹿らしい。

 もちろん、一緒に仕事をする相手に敬意を払い、お互いが快適な仕事環境を実現しよう、という努力をすることは重要で、否定すべきものではない。だが、「マナー」という謎のルールとして強制力を持つ形で定めていくことに、あまり意味があるとは思えない。そういう無形の圧力を減らしていくことこそ、働き方を楽にする上で重要なことなのではないだろうか。

 そもそも、「マナーであり、守るべき礼儀である」と思っているものの中には、テレワークの場合「無理だし無駄」なものも多い。

ビデオ会議では「相手の目を見て話せない」

 ビデオ会議を使ったテレワークのうち、「礼儀的に必要そうに見えて無理だし無駄」なのが「相手の顔を見て話す」ことだ。

 実際に人と会って話す際には、確かに重要で推奨されることだろう。だが、ビデオ会議においては意味が薄い。

 なぜなら「それはとても難しいこと」だからだ。理由は、「カメラの位置と画面の位置が違う」ためである。

 ほとんどの場合、カメラはPCの画面の「上」か「横」にある。いわゆる「カメラ目線」で話すには、画面の正面でなくカメラの方を見る必要がある。だが、画面は正面だ。「相手の目を見て」話すと、カメラから外れ、カメラを見ると相手からは目線が外れる。

 カメラの方を見て話すのも、相手の顔を見て話すのも、難しいことではないが、「相手の目を見ながらずっとビデオ会議をする」のは、現実よりもはるかに難しい。

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