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» 2020年04月20日 08時30分 公開

そろそろ会議やめませんか:「テレワークの新しいマナー」なんていらない (2/3)

[西田宗千佳,ITmedia]

ビデオ会議では「相手の顔」より「画面共有」の方が重要

 そもそも、である。

 ビデオ会議で「相手の顔」をずっと見ている意味はあるのだろうか?

 むしろ、実際に見るべきものは別にあるのではないか?

 会議の中でちゃんとシェアすべきは、むしろ「資料」や「画面」だ。オフィスで会議をする時とは違って、プレゼン資料がスクリーンに投射されるわけでも、事前に紙に印刷されているわけでもない。会議中には「ディスプレイ」という狭い領域がメインになり、従来よりも「データを見ながら一緒に話す」のが面倒になっている。

 ちゃんと資料を共有し、みんなで同時に参照しながら会話したり、ビデオ会議ツールの「画面共有」「資料共有」などの機能で共有したりしながら作業することの方がずっと重要だ。

 一緒に会議をする人の顔なんて、そうそう変わるものではない。だが、資料は案件ごとに、会議ごとに変わる。冷静に思い出してほしい。リアルの会議の時も、あなたは「資料の方を見ていた」時間の方が長いのではないか?

 何より、これは「マナー」ではない。それ以前の、仕事をスムーズに進めるために必要な工夫だ。こちらは、各企業でどう扱うのがいいのか、ちゃんと話し合ってルールを決めつつ運用すべきだろう。

 ちなみに、Microsoft Teams/Zoomでの画面や資料の共有方法は、以下のヘルプを参照いただきたい。

考えるべきは「相手から自分がどう見られたい」のか

 一緒に仕事をする相手をおもんぱかることは大切だ。だが、それは主に「自分が相手にどう見られたいのか」による。

 下着姿かつヒゲもそらずに会議に出てくるのはさすがにどうか、と思う。それは、自分がそう見られると恥ずかしいだろうし、相手からも見苦しいからだ。だが、スーツを着てネクタイまで締める意味があるか、というと、多分ない。やってもいいが、それは個人のファッションの問題であり、自由だ。

 「見られてもいいように部屋をきれいに」というのも同じだ。

 確かに、ごちゃごちゃした部屋はよくないだろう。だが、それも主に「見せる側がプライベートな部分をどう考えるか」の話だ。

 筆者は部屋が荒れがちなので、バーチャル壁紙を積極的に使っている。壁紙の切り替え機能を備えているZoom以外の場合は、「Snap Camera」などを併用している。Snap Cameraの場合、バーチャル壁紙だけでなく、自分を別のキャラクターに置き換えたりもできる。無料配布されている「Lens Studio」というアプリを使うと、バーチャル壁紙やキャラの自作も可能だ。

Zoom Lens Studioの画面。ほぼ「3Dアニメソフト」といっていい機能があり、バーチャル壁紙からCGエフェクトまで、いろいろなことができる

 とはいえ、これだって「自分がそうしたい」からやっていることだ。プライベートな部分を見せざるを得ないのでそうしているに過ぎない。そこを「マナーだからこうしろ」「仕事だからこうしろ」と言われる筋合いは、本来存在しない。手当でも出ているなら話は別だが。

 家で仕事をしていれば、家族の声やペットの乱入があったりもするだろう。それは、もちろん避けたい、と思うものだ。でも、避けられないこともある。ビデオ会議中に宅配便が来ることだってあるはずだ。「マナーだからそれも避けろ」というのだろうか?

 そういうことは「スルーする」だけでいい。失礼だと怒る理由もないし、みんなお互い様。それでいいではないか。

 だいたい、先ほども述べたように、どうせ顔なんてそんなにじっくり見ていないのだ。最初にあいさつしたら、ビデオの方はミュートにしてしまってもいい。相手もこちらも気を使わないで済む。「顔を出していないと失礼」なんていう、旧来の考えは忘れよう。書類がちゃんと見えている方がよほど重要だ。

 もちろん、秘匿性の高い話をしたい時もあるだろう。表情を見てじっくり話し合いたい時もある。だがそれは「お互いがルールに基づいてやる」だけの話である。

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