ノートPCとしても魅力的なチョイス 「11インチiPad Pro(第2世代)」を使ってみた(2/3 ページ)

» 2020年04月21日 12時00分 公開
[松野将太ITmedia]

デュアルカメラの使用感を確認してみる

 実際に、最新モデルのウリの1つであるデュアル構成のアウトカメラの使用感を確認してみる。

 メイン(広角)カメラは約1200万画素/F1.8という構成で、数値上は先代と同一スペックとなる。注目すべきは、新たに搭載された約1000万画素/F2.4の超広角カメラだろう。

 カメラアプリを起動すると、最初に表示されるのは広角カメラの映像だ。そこから画面左のボタンを押すか、画面をピンチインすると、「0.5倍ズーム」として超広角カメラの映像にシームレスに移行する。

カメラアプリ iPad Proの標準カメラアプリ。使い勝手はシンプルで、パノラマ写真などの作成も可能だ。画面左のボタンからズーム倍率を変更できる

 超広角カメラは焦点距離が短いため、撮影できる写真は画角が広く(より広い範囲が映りこみ)、遠近感が強調されたものになる。スペック的には超広角カメラの方が画素数が若干低いが、よりダイナミックな写真が撮りやすいといえる。

 例えば旅行先に見晴らしのいい眺望があり、それを写したいような場合、こういった超広角カメラが役立つ。撮影位置を低くして遠近感を強調することで、デフォルメを効かせた写真を撮ってみるのもいいかもしれない。明らかに先代から表現の幅が広がっているわけだ。

広角カメラ超広角カメラ 左が広角カメラ(1x)、右が超広角カメラ(0.5x)の写真。超広角カメラは画角が広く、遠近感が強く出る
広角カメラ超広角カメラ 同じ位置から撮影し、左が0.5x、右が1xの写真。広角であるほど奥行きが強調される

 アウトカメラの構成上、ズーム(拡大)は全てデジタルズームで対応することになる。最大で5倍までズームできるが、倍率が高くなるほど画質は粗くなる。

 2〜3倍まではそれほど違和感がないが、5倍近くではさすがにディティールが潰れがちで、あまり実用的とはいえない。「iPhone 11 Pro」のように望遠カメラを搭載していないため、この点は致し方ない。

 「これ1台でカメラの代わりになる!」というわけにはいかないが、デュアルカメラの特性さえ理解しておけば、使えるシーンは多くありそうだ。

等倍5倍 左が等倍、右が5倍。望遠側はあくまでデジタルズームで対応するため、倍率を上げすぎると画質が粗くなる
2倍3倍 左が2倍、右が3倍のズーム。このぐらいのズームであれば画質の劣化はそれほど気にならない
5倍ズーム 5xズームではディティールがつぶれて、「眠い」感じになってしまう

手持ちにちょうどよいサイズと処理能力 ゲーム端末として非常に優秀

 ソーシャルゲームやモバイルゲームが人気を集める今日この頃だが、最近ではゲームのプレイを主目的にタブレット端末を買う人が増えてきている。元々、iPadシリーズはゲームプレイにおいてメリットが多いのだが、その点において新しいiPad Proも魅力的だ。

 特にアクションゲームやリズムゲームをプレイする場合、本体サイズはかなり重要な要素となる。画面が大きくて目が疲れにくいのはタブレット端末の大きなメリットだ。しかし、モバイルゲームの多くは、操作体系をスマホに最適化しているため、画面サイズが大きすぎるとかえって操作がしづらくなることもある。

 その点、11型のiPad Proはタブレットとして大きすぎず重すぎない。取り回しがよいので、さまざまなゲームを遊びやすい。近年はリッチなグラフィックスのモバイルゲームも増えているが、iPad Proであれば動作しないゲームはまずないだろう。

 試しに3Dグラフィックスを多用する人気タイトル「フォートナイト(Fortnite)」を一定時間プレイしてみたところ、体感上フレームレートは60fps張り付きとはいかないものの、プレイに支障が出るほどのカクつきも感じられず、快適に操作できた。

 ゲーム専用端末と考えるとやや高価かもしれないが、ノートPCのように使えてついでにスマホゲームもできる端末だと考えれば、極めて魅力的な選択肢の1つとなるだろう。

Fortniteプレイ中 Android端末に比べ互換性に問題が出にくいこともあり、モバイルゲーム用端末としては優秀なiPad。処理能力の高さもあり、iPad Proは極めて魅力的な選択肢といえる(Fortnite:© 2020, Epic Games, Inc. )

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