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» 2020年07月03日 11時00分 公開

プロ絵師が夢見た使い勝手と、現実に引き戻されるペン性能――「Yoga A940」をねっとり試したよ(1/4 ページ)

27型で4K表示のタッチ対応ディスプレイに優れたパフォーマンス、さらにペン入力もサポートしたオールインワンPC「Yoga A940」を、人気プロ絵師のrefeia先生がチェックします。

[refeia,ITmedia]

 こんにちは! イラストレーターのrefeiaです。

 今日はまた1つ、ペンデバイスの多様性の夢を見ようと思います。レノボ・ジャパンのハイスペックなオールインワンPC「Yoga A940」です。

 我々がよく使う製作用のPCは、普通ならケーブルまみれの煩雑な状態になりがちです。大画面の液晶ペンタブレットや、しっかりしたデスクトップ級のパフォーマンスを求めればなおさらで、これらの要求とスッキリとした見た目を両取りできる製品は、これまでほとんどありませんでした。

Yoga A940 レノボ・ジャパンの27型オールインワンPC「Yoga A940」

 それを実現するのが、Yoga A940というわけです。シンプルでありながらも力強さを感じるビジュアル、かなり良いです。後は実際の使いやすさと性能はどうなのか?

 早速、見ていきたいと思います。

高価過ぎて煮え切らなかったSurface Studioへの回答?

 冒頭からぶっちゃけて言ってしまうと、Yoga A940は、日本マイクロソフトの「Surface Studio」シリーズへのレノボからの回答ですね。

 Surface Studioは、ペン+タッチ操作が可能で上下する28型の大画面と、エレガントな外観の一体型を訴求した、クリエイティブ志向のデスクトップPCです。Surface Studioはデザイン性こそ高いですが、モバイル用のCPUしか選択できない点と、価格が非常に高いのが弱点になっていました。

Yoga A940 こちらは28型の液晶ディスプレイを備えた「Surface Studio 2」

 それに対し、Yoga A940は高性能な一体型PC、筆圧対応のペン、タッチ操作が可能の27型(3840×2160ピクセル)という大画面、軽い力で角度と位置を調節できる画面、多機能ダイヤル、これらのコンセプトはほぼ完全にSurface Studioと共通しています。一方で、一体型としては比較的余裕のあるボディーによって、高性能なデスクトップ用CPUのCore i7を積むことが可能になりました。

 そして、さらに大きな差は価格です。Surface Studio 2は最小構成でも約49万円もするところ、Yoga A940は約32万円(いずれも税込み)と大幅に買いやすくなっています。

ペン対応の動くディスプレイとダイヤルが特徴

 では、Yoga A940をもう少し詳しく見ていきましょう。特徴として筆頭に挙げたいのは可動する大画面です。Surface Studioの「ゼログラビティ・ヒンジ」を知っているなら想像しやすいと思いますが、この画面は目の前に立った普通のPCディスプレイのような状態から、机に置いた液晶ペンタブレットのような状態まで、軽い力でスルスルと調節できます。

Yoga A940 2つのヒンジが連動していて、ディスプレイ部分を手で引くと前に出ながら25度の角度まで倒れていきます

 ロック機構はないですが、ペンで何かを描いたぐらいでは動いたりしない、という絶妙な固さに調整されています。また、画面を倒すと手が届きやすい位置に出てきてくれるので、ペンやタッチ操作が快適です。モバイルPCやiPadなどは、もともと持ち方や設置を変えてPC的にもペンやタッチ操作でも使いやすかったのですが、これくらいのボリューム感がある機材でこれほどストレスなく扱えるのは感動的です。

 そして、すっきりしたオールインワンPCの最後の散らかり要素、マウスとキーボードとペンをすっきりまとめられる工夫もあります。下の写真のように、キーボードは専用の少しくぼんだエリアに、マウスとペンは本体右側の台のような部分に片づけられるようになっています。マウスに台は必要? と思われるかもしれませんが、実はここがQi充電台になっていて、マウスを置いていない間はスマホの充電ができます。

Yoga A940 キーボードは特にぴったりで気分が良いです

 デスクでPC以外の作業をしたいときには、キーボードとマウスは邪魔なものです。これはうれしい配慮ですね。

ダイヤルはオシャレだけどクリエイティブ用途には適していない

 次はダイヤルを見てみましょう。このデバイスは1つのボタンと2つのダイヤル、1つのLEDインジケーターを備えていて、本体の左側または右側の好きな方に装着できます。また、対応アプリの使用中にはそのアプリのイメージカラー風の光を放ちます。

Yoga A940 ボディーの左側にダイヤルを取り付けたところ

 しかし、このダイヤルは執筆時点ではAdobe Creative Cloudの4つのアプリと、Microsoft Officeの3つのアプリにしか対応しませんでした。よくある左手デバイスは、任意のアプリにキーボード操作を割り当てられたりする場合が多いのですが、Yoga A940のダイヤルにはそのような機能はなく、お絵描き作業ならばPhotoshopだけが恩恵の得られるアプリになります。

 また、ペンを持っていない手をダイヤルに添えているより、キーボードに添えている方がずっと生産性が高いです。日本マイクロソフトの「Surface Dial」にも同様の問題があり、ダイヤルデバイスの存在意義が問われる根本的な問題でした。後継モデルでも良いので、何らかの打開策がほしいところですね。

 対応アプリ以外を使用している間は、音声ボリュームと画面輝度を変えられるようになります。音声は当然ながら、画面の角度を変えると輝度も変えたくなるものです。それにボタンではなくてダイヤルで即応できるのは、Yoga A940の使い勝手を高めています。

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