プロ絵師が夢見た使い勝手と、現実に引き戻されるペン性能――「Yoga A940」をねっとり試したよ(4/4 ページ)

» 2020年07月03日 11時00分 公開
[refeiaITmedia]
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まとめ

 それでは、そろそろまとめていきましょう

気に入った点

  • かっこいいボディー
  • 電源以外のケーブルなしで運用できる
  • Qi充電台やマウス、キーボード置き場、左右どちらにでも装着できるダイヤル、Bluetoothスピーカー化機能など、ユーザーに便利に使ってもらいたいという思いが企画に生きている
  • 従来のPCとしても、タッチ主体の作業にも、お絵描きにも、全ての利用スタイルにベストな位置に軽い力で調節/対応できるディスプレイ
  • ディスプレイを45度ぐらいまで降ろした時の、極めて快適なタッチPCとしての操作感
  • 4Kディスプレイはタッチやペン操作時でもドットが目立ちづらい
  • 高性能なCPUと、欲張りすぎないディスクリートGPUという組み合わせ
  • Surface StudioよりCPUパワーがありながらずっと安く、iMacより多彩な使い勝手を持ち、一体型PCとして独自の立ち位置を得ている

人によっては難点になり得る点

  • お絵描きをメイン用途にはしづらいペン性能とディスプレイ視差
  • ダイヤルが使えるアプリが少なく、カスタマイズできる範囲が限定的
  • 高パフォーマンスPCといえばSSDの時代に、Optaneメモリで補助されているとはいえHDDがメインストレージに採用されている
  • サイズが巨大なACアダプター

 Yoga A940は、“1つの塊”でコンプリートするという従来のオールインワン型の美点をさらに突き詰めたPCです。シンプルな設置からは想像しがたい、ペンやタッチも含めた多彩な使い勝手を実現しています。

 また、キーボード台やマウス台、スマホの無線充電機能を備え、Bluetoothスピーカーとしても使えるなど、PCとして使用していないときにすら使いやすいと感じられるのは、本機の企画の妙でもあると思います。

 一方で、クリエイティブPCとして見ると、ペンは静電容量方式によくある弱点が解決されておらず、視差の大きさという弱点も抱えています。GPUパワーやストレージ性能なども限定されており、完全に万能というわけではありません。

 このあたりを納得して検討するなら、外部スピーカーや、ディスプレイとの接続などの、デスクトップPCにありがちなケーブルまみれの煩わしさから解放されながら、一般的なPCとしても、メディア鑑賞にも、クリエイティブ作業の多くにも満足して使える、万能PCになり得るでしょう。

 HDMI入力機能やダイヤルの完成度、ハードウェア構成のモダン化など、次なるモデルにも期待したいところですね。

Yoga A940
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