本機は他にも注目ポイントが多いのですが、普通に書くとちょっと長くなりすぎるため、簡潔にポイントを紹介していきます。
まずは、Dolby Atmos対応のスピーカーです。さすがにちゃんとしたPC用の外付けスピーカーにはおよびませんが、気軽に音楽を楽しむには十分な音質でした。
また、本体にHDMI信号を入力して、外部機器のディスプレイ+スピーカーとして使うこともできます。
これはかなり夢があるというか、「おっ!」となるのですが、なぜかHDMI入力状態で画面輝度や音声ボリュームを変更する方法が用意されておらず、PCとして設定した画面輝度や音声ボリュームは、HDMI入力時には反映されませんでした。普通に使うには、接続する機器ごとに工夫が必要となりそうです。
もう1つ、Bluetoothの音声を受け取る機能もあって、スマホの外部スピーカーのような使い方もできます。
こちらはスマホで音量調整ができるので、便利に使えました。
さて、ちょっと本題以外が長くなりましたが、そろそろクリエイティブ用途で要となるペンと描き味を見ていきましょう。
まずはペンの形状です。Windowsの静電容量方式のペンとして一般的な太さ、重さです。手持ちのノートPC「Dell XPS 13 2-in-1」でも動作しました。ボタンは2つあります。
まずはオン荷重ですが、Windowsペイントで約7g、Photoshop CCで約9gでした。フェザータッチに近い筆圧でも描きやすく、ワコム製ペンタブレットのデフォルト値の8g前後とも近くて、問題ない値です。
次に遅延は、Windowsペイントで120分の7秒と、これも他のWindowsのペンデバイスと比べて問題ない値でした。
逆に、ジッターは問題がある結果になりました。画面に垂直に近い角度で描いていれば大丈夫ですが、自然な角度で手に持ったり、深く傾けたりした状態では、線がゆらゆらとブレます。これは後の実描テストでも問題になってきます。これくらいのジッターはWindowsやAndroidのペンデバイスではよくある結果で、特別劣っているというわけではありませんが、Apple Pencilやワコム製品と比べるには厳しい結果です。
そして、他のペンデバイスと比べて厳しいと感じたのが視差です。このように、画面表面から液晶パネルまでの距離が一般的な空気層のあるペンデバイスと比べても大きく、見る角度によってはカーソルとペン先が大きく離れて見えます。
厚みが大きいのは大画面だから仕方がない面もありますが、大画面だからこそ、画面の端を見る時にはかなり斜めになります。この厚みと大画面が合わさって、一般的なペンデバイスよりも視差の影響は大きいです。個人的には視差にはおおらかなつもりでしたが、これくらいだとさすがに厳しい、というのが正直な感想でした。
視差は大きいですが、ペンを傾けて使ったときに、カーソルがペン先より内側(傾けている側)にずれてしまう現象は起こりませんでした。これはうれしいポイントだと思います。
全体として、魅力的な機能も多く備えていますが、静電容量方式のペンによくある弱点や、他のデバイスよりも厳しい評価になる部分を抱えています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.