レノボ・ジャパンは10月13日、フォルダブル(折りたたみ可能な)PC「ThinkPad X1 Fold」(Wi-Fiモデル)の受注を開始する。日本向けモデルはBluetooth接続のミニキーボードと充電式スタイラスペン「Lenovo Mod Pen」が付属し、最小構成の直販標準価格は36万3000円(税別)からとなる。後日、モバイル通信に対応する「5Gモデル」も用意される予定だ。
ThinkPad X1 Foldは、「CES 2020」に合わせて2020年1月に発表された「ThinkPad X1シリーズ」の新機軸モデル。「たくさんのデバイスを持ち歩くようになった昨今において、本当に必要なデバイスを逆算した結果生まれた」(関係者)という。多くのThinkPadを生み出してきた同社の大和研究所(横浜市西区)が主導して、約5年の歳月を掛けて開発された。
CPUは省電力コアとパフォーマンスコアを組み合わせた構造の「Intel Core i5-L16G7」(開発コード名:Lakefield)で、メインメモリは8GB(LPDDR4x:CPU内に統合)となる。ストレージは512GBのSSDだ。OSはWindows 10(64bit版)で、CTO(カスタマイズ)モデルではHomeとProから選択できる。
ディスプレイはLG Electronicsと共同で開発したQXGA(2048×1536ピクセル、アスペクト比4:3)の13.3型有機ELで、最大10点のマルチタッチ操作とペン操作に対応する。本体背面のスタンドを立てれば、13.3型のタブレットPCとして便利に使える他、本体(画面)をある程度の角度まで曲げると9.6型の小型クラムシェルPCとして利用することもできる。
海外では、専用ミニキーボードやLenovo Mod Penがオプションとなる国・地域もあるが、「買ってすぐ使えることを重視して」(関係者)、日本では両者が標準で付属する。発売段階では「付属しないオプションは用意しない」。
日本向けモデルに付属するミニキーボードは日本語配列だが、かなの印字や一部の日本語入力用のキーが省略されている。ThinkPadでは米国英語(US)配列のキーボードも人気だが、こちらも「発売段階では用意しない」という。
ミニキーボードにはバッテリーが内蔵されており、本体から離した状態でも使えるが、本体に載っけて使うことも可能だ。本体にキーボードを載っけると、本体側がそれを検知し、画面の半分を非表示(オフ)にして消費電力を抑えるようになっている。
このキーボードは本体からの非接触給電に対応しており、本体に挟み込んだ状態で持ち運べば、使わない間にバッテリーの充電を行えるようになっている(※)。バッテリーの充電は、キーボード側面にあるMicro USB端子からも行える。
(※)本体バッテリーに50%以上の残量がある場合
本体のポート類は、USB 3.0 Type-C端子を2基備えている。いずれもUSB Power Delivery(USB PD)による電源入力とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応する。Webカメラは約500万画素で、IR(赤外線)による顔認証にも利用できる。無線LANはWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応し、Bluetooth 5.0も利用可能だ。後日追加される予定の5Gモデルでは、Sub-6(6GHz以下の周波数帯)の5G通信と、LTE通信に対応する。
本体サイズは折りたたみ時が約158.2(幅)×236(高さ)×27.8(奥行き)mm、ランドスケープモード時が約299.4(幅)×236(高さ)×11.5(奥行き)mmで、最軽量構成の重量は約973gとなる。ミニキーボードの重量は約173gだ。バッテリー駆動時間は約11.7時間(JEITA 2.0)となる。
フォルダブル構造ということで気になるThinkPad X1 Foldの「頑丈さ」だが、さまざまな工夫を凝らすことで、ThinkPadが満たすべき基準はしっかり満たしているという。
例えば、本体のディスプレイ背後のパネルには、高い弾性と機能性を両立したピッチ系カーボン材料を採用した。これにより、ボディーの軽量化を達成しつつ、頑丈さも向上している。
フォルダブル構造を支えるヒンジは、柔軟性と強度を両立すべく、日本の「三軸織物」に着想を得て作られたという。放熱構造は、より薄く作るために日本の「寄木細工」を参考に作り込んだそうだ。
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