新「iPad Air」実機チェックで判明した“Pro顔負け”の高性能 Apple Silicon Macはどこまで速くなるのか:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)

» 2020年10月21日 22時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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熱的な余裕がもたらすA14 Bionicの実力

 これらの結果から明らかなのは、A14 BionicをiPhoneという鳥籠から解き放ち、より熱設計に余裕のある環境で動かすと、相当に高いCPU、GPUの実力を発揮するということだ。

A14 Bionic iPad Airが搭載するA14 Bionicの特徴

 iPhone 12・12 Proのカメラ機能の進化などからも感じ取れるように、Neural EngineやMLアクセラレータ、ISP(Image Signal Processor)などが大幅強化されていることは体感できていたが、軽くIce Lake搭載のMacBookを超える実力を見せ、単純なスコアではあるもののTiger Lake並みの瞬発力も備えるとなれば、Apple Silicon搭載のMacではどこまで高性能になるのか、と期待せざるを得ない。

 Appleが「A14X Bionic」といった、よりコア数の多いチップを開発しているかどうか。確たる証拠はないが、過去の例からすれば、そしてMacがApple Siliconに移行することを考えれば、開発していることは間違いないだろう。iPad Proのアップデートも、今回のiPad Airの高性能ぶりから近いと思われる。

 ではA14X Bionic(高性能CPUが4コア、GPUが8コアだろうか)が登場するのであれば、その実力はどの程度だろうか。

 iPad AirにおけるTDP(熱設計電力)が7W以下と推察するならば(動画の書き出しでもほとんど熱くならないため、もっと低いかもしれない)、薄型のMacBook系でそのまま採用するという手もあるが、コア数を増やしてMacBook Pro並みの熱設計にすれば15W前後のTDPにまでA14 Bionicを拡張できる。

 スリットが少ない13.3型のMacBook Pro下位モデルならば、iPad Airに比べて(ベンチマークテストの値では)2倍程度のスコアを出す余地がありそうだ。

A14世代の多コア化はどこまでスケールできるか

 ただし余地があるのと、性能が出るのとは異なる。ここで重要になってくるのは、「A13 Bionic」(iPhone 11や第2世代のiPhone SEに搭載)の発表時に語られた新しい省電力技術だ。

 実はA12世代でA12Xを開発したものの、発熱の問題で想定していたほどには性能がスケールしなかったといわれている。A12のZバージョンが出たのも、そうした部分を制御で何とか克服した結果だったのかもしれない。

 ここは推測の域を出ないが、A13世代で取り組んだ省電力制御の技術が、A14世代で結実しているならば、A14X Bionicではいよいよさらなる高性能、つまりより大きなTDPバジェットにおける高性能を引き出せるようになっているのではないか、と期待している。

 A13 Bionicでは、SoCの機能ブロックごとに電源制御を行うにとどまらず、各機能ブロックの中も細かく電源系統を分け、実際に使っている回路のみをオン、オフする設計を導入することで省電力化を果たしたと説明された。

 こうした設計アプローチはバッテリー駆動時間にもプラスとなるが、Macのようなより大きな筐体に収める際には、パフォーマンスを引き出す方向で生かすことができる。XバージョンのA14が登場したならば、そのときはiPad Airからきれいにスケールし、2倍程度(あるいはそれ以上?)のパフォーマンスを引き出せるかもしれない。

 さらにMacにおいても、Neural EngineやMLアクセラレータ、ISPを活用する事例が増えていけば、Intelプロセッサを搭載するPCとの差別化を図れるだろう。

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