冒頭で触れたように、本製品のCPUはIntelの第11世代Core i7-11370Hを搭載する。TDP 35Wで動くCore H35シリーズの最新モデルだ。4コア8スレッド、ターボブースト時には4.8GHzで稼働する。GPUには、NVIDIAから発表されたモバイル向けのGeForce RTX 30シリーズから、GeForce RTX 3070(グラフィックスメモリは8GB)を採用している。
RTX 30シリーズは、デスクトップ向けには超ハイエンドのGeForce RTX 3090搭載グラフィックスカードも発売されているが、価格は20万円を軽く超え、高性能なPCが1台買えるほどだ。このため、価格と性能のバランスを考えるならば、RTX 3070あたりが一番コストパフォーマンスがよいと思っていた。新しいAmpereアーキテクチャの採用もあり、RTXも第2世代となって、このクラスであればあと数年は十分に戦えるだろう。
本体に搭載されているメモリは16GBのDDR4 3200MHzなので、ゲームをプレイするにも、オフィスソフトを使うにしても十分対応できる。
CPUのCore i7-11370Hは、Iris Xe Graphicsを内蔵グラフィックス機能として持っており、NVIDIAコントロールパネルからIris Xe Graphicsを指定して動作させることも可能だ。バッテリーの持ちを優先させたい場合では有効だろう。ちなみに、NVIDIAコントロールパネルのデフォルト設定は、Iris Xe GraphicsかGeForce RTX 3070なのかを、アプリの負荷に応じて自動的に選択するようになっている。
TUF Dash F15に搭載されているストレージは、M.2 NVMeタイプのSSDで容量は1TBだ。ストレージの容量としての不満はない。CrystalDiskMarkでの結果も良好で、キビキビとしたレスポンスを期待できる。
内蔵バッテリーの容量は76Whで、ASUSの公称値(JEITAバッテリ駆動時間測定法Ver.2.0)は約12.6時間だ。PCMark 10のBattery Profileで測定したところ、Modern Officeで9時間54分、Gamingでは1時間42分というスコアだった。このサイズのPCであれば、バッテリー駆動で使うシーンはあまりないと思うが、オフィスソフトであれば10時間近く動作できるので、在宅ワークなどでコンセントのない場所で使う場合の対応としては十分だろう。
ここからは、さまざまなベンチマークテストを実施して、そのパフォーマンスについて見ていこう。
まずはPCMark 10のスコアだ。ここでは筆者が所有している15.6型ゲーミングノートPCを比較対象に使った。比較対象PCのスペックは、CPUがCore i7-9750H(6コア12スレッド、2.6GHz〜4.5GHz、TDP 35W)、メモリは16GB(DDR4-2666)、GPUはGeForce RTX 2060(グラフィックスメモリは6GB)という構成だ。
肝心のテスト結果だが、CPUの世代が2つ、GPUの世代が1つ違うとこんなにも差が出るのかというところだが、システムの正統進化としてこのスコアは当然だろう。
次に3DMarkのスコアだが、グラフィックス性能の低いPCにおけるDirectX 12の値を図る「Night Raid」は、2つのモデルでの差はそれほどないが、その他の3D負荷の高いベンチマークテストでは大きく水をあけることになった。中でもリアルタイムレイトレーシングを評価する「Port Royal」では大きな差が出ており、RTX 30シリーズのAmpereアーキテクチャと、RTX 20シリーズのTuringアーキテクチャの違いがよく分かる。
次に行ったのは、実際のゲームプレイ時に近いベンチマークテストである「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」と「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」だ。結果は以下の通りとなる。
ファイナルファンタジーXIVは、負荷が高くないベンチマークテストということもあり、TUF Dash F15では全てが「非常に快適」となった。一方、重量級のFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークは、高品質で「やや快適」となったものの、その他の品質では「快適」以上となり、FINAL FANTASY XV程度のタイトルでも十分に楽しめることが分かる。
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