もう1点、ウォーレン氏が触れているのが「ゲーム」をテーマにしたイベントの方だ。Microsoftは例年GDC(Game Developers Conference)とE3(Electronic Entertainment Expo)の2つの大型イベントに合わせる形で発表会、またはイベントを開催している。前者が開発者向けという位置付けで、後者がサードパーティーを含むパートナーや一般ユーザー向けのものだ。
2020年は残念ながらともにキャンセルされてしまったが、2021年のGDCについては現在日程を従来の3月から7月にずらす形で開催をギリギリまでにらんでおり、状況次第では開催にこぎつけるかもしれない。
一方で不確かな状況であることには変わりなく、MicrosoftではXbox Game PassやxCloudに関する最新トピックに触れるイベントを自社で開催する計画だという。同氏は「“reimagined” E3」のように表現しているが、例年のように6月開催のE3のタイミングに合わせるかも不明で、Microsoft以外のゲーム各社の動向も気になるところだ。
興味深いのは、1年半限定だったイベントのデジタル移行が、割と恒久的なものとして定着しそうな雰囲気が、少なくとも直近のMicrosoftからは感じられる点だ。
先ほど、「リアルイベントをそのままデジタルに持ち込んでも効果が薄い上に(取材する側としても)苦痛」と述べたが、デジタルはデジタル向きの開催形式や、情報の出し方があるのではないかと考えており、Microsoftとして「情報発信の場としてのイベント」の性格を見直し始めた段階にあるのだろうと思う。
もちろん、ネットワーキングや偶然性などのイベントにおける要素はまだまだデジタルが解決できていないが、こと「情報発信」という部分に関しては2020年の反省を踏まえ、2021年に変化の兆候を見せつつある。
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