筆者はつい最近まで、メインPCはNECパーソナルコンピューターのモバイルPC「LAVIE Pro Mobile」であった。薄くて軽くてタフなので、どこへでも持ち歩けるありがたいPCだった。
しかし、使っているうちに電源回りに不具合を抱え、今では修理対応が必要な状態になってしまった。また以前から、USB Type-CポートがDisplayPort Alternate Modeに非対応で映像データを送れないという弱点もあり、思い切って13インチMacBook Pro(以下、MacBook Pro)を導入した。
とはいえ、Apple M1プロセッサ搭載モデルではない。そう、購入直後にM1プロセッサ搭載モデルが発表されてしまったのだ。Apple Storeで買っていれば……何かの呪いだろうか(アンテナ感度が低いだけ)。
Macといえば、iPhoneやiPadシリーズとは異なり、タッチ操作は一貫してサポートしない。ディスプレイの上部に取り付けることで、なんちゃってタッチディスプレイを実現するソリューションもあったが定着には至っていない。
Windows 10ならタッチ操作可能なタブレットモードを搭載しているので、タッチディスプレイ非搭載ノートPCであっても、マルチタッチディスプレイを接続すれば、モバイルディスプレイ側でタッチ操作ができるようになる。例えば、ノートPC側で参考となる資料を表示させておいて、タッチ操作対応のモバイルディスプレイ側でペイントやIllustratorなどのお絵かきソフトを表示させておいてイラストを描く、といったことが行える。
しかし、Macではそうはいかない。タッチ操作対応のモバイルディスプレイを接続しても、拡張したデスクトップを表示したMac用の大きなトラックパッドと化してしまう。素直にiPadシリーズを用意するのが無難だろう。
下の図を見てほしいが、Wacom Oneは入力がUSB Type-Cに対応していない。PCからはHDMIとUSB Type-Aボートを使ってデータのやり取りをし、Wacom OneにはUSB Type-Cと同じ形状の端子を挿し込む。
MacBookシリーズはHDMIポートもUSB Type-Aボートも持たないので、別途ハブをかませる。今回使ったのはハイパーの「HYPER DRIVE」だ。HDMIやUSB Type-C、USB Type-A、SDメモリーカード、microSDカード、3.5mmのイヤフォンジャックのポートやスロットを備える多機能ハブである。
これを介して接続するだけで、Wacom OneがサブディスプレイとしてMacBookに認識される。ただし、この状態ではペン操作ができない。Wacom Oneの性能を余すところなく使うには、別途ユーティリティーの「ワコムデスクトップセンター」の導入が必要だ。Webサイトからダウンロードして、MacBookにインストールしよう。
すると、それまでタッチ操作とは無縁だったMacBookがペン操作に対応したPCへと生まれ変わる。もちろん、指を使ったタッチ操作には対応しておらず、ペンにしか反応しないのだが、それでも感動的ではある(個人の感想です)。
モバイルディスプレイとしての使い心地だが、デフォルトの状態では多少暗い。ここはワコムデスクトップセンターで、輝度とコントラストを上げておこう。
ディスプレイが非光沢なので、輝度を上げても目に光が突き刺さるような感覚はない。また、色調がおかしい、小さな文字がつぶれて見えない、といったこともなく、使い勝手は上々だ。
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