液タブ「Wacom One」をテレワークのモバイルディスプレイとして使って分かったことWeb会議にも役立つ!(2/4 ページ)

» 2021年05月12日 12時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]

13インチMacBook Proにつなげてみた

 筆者はつい最近まで、メインPCはNECパーソナルコンピューターのモバイルPC「LAVIE Pro Mobile」であった。薄くて軽くてタフなので、どこへでも持ち歩けるありがたいPCだった。

 しかし、使っているうちに電源回りに不具合を抱え、今では修理対応が必要な状態になってしまった。また以前から、USB Type-CポートがDisplayPort Alternate Modeに非対応で映像データを送れないという弱点もあり、思い切って13インチMacBook Pro(以下、MacBook Pro)を導入した。

 とはいえ、Apple M1プロセッサ搭載モデルではない。そう、購入直後にM1プロセッサ搭載モデルが発表されてしまったのだ。Apple Storeで買っていれば……何かの呪いだろうか(アンテナ感度が低いだけ)。

 Macといえば、iPhoneやiPadシリーズとは異なり、タッチ操作は一貫してサポートしない。ディスプレイの上部に取り付けることで、なんちゃってタッチディスプレイを実現するソリューションもあったが定着には至っていない。

 Windows 10ならタッチ操作可能なタブレットモードを搭載しているので、タッチディスプレイ非搭載ノートPCであっても、マルチタッチディスプレイを接続すれば、モバイルディスプレイ側でタッチ操作ができるようになる。例えば、ノートPC側で参考となる資料を表示させておいて、タッチ操作対応のモバイルディスプレイ側でペイントやIllustratorなどのお絵かきソフトを表示させておいてイラストを描く、といったことが行える。

 しかし、Macではそうはいかない。タッチ操作対応のモバイルディスプレイを接続しても、拡張したデスクトップを表示したMac用の大きなトラックパッドと化してしまう。素直にiPadシリーズを用意するのが無難だろう。

 下の図を見てほしいが、Wacom Oneは入力がUSB Type-Cに対応していない。PCからはHDMIとUSB Type-Aボートを使ってデータのやり取りをし、Wacom OneにはUSB Type-Cと同じ形状の端子を挿し込む。

Wacom One ワコムの製品ページにPCやスマートフォンとの接続方法が記されている。これだけUSB Type-C端子搭載PCやスマートフォンが増えているのだから、そろそろもう少しスマートに接続できるようになってもらえるとありがたい

 MacBookシリーズはHDMIポートもUSB Type-Aボートも持たないので、別途ハブをかませる。今回使ったのはハイパーの「HYPER DRIVE」だ。HDMIやUSB Type-C、USB Type-A、SDメモリーカード、microSDカード、3.5mmのイヤフォンジャックのポートやスロットを備える多機能ハブである。

Wacom One 現行のMacBookシリーズはUSB Type-Cポートしか標準で備えていないため、HDMIやUSB Type-Aポートを備えたハブを利用する

 これを介して接続するだけで、Wacom OneがサブディスプレイとしてMacBookに認識される。ただし、この状態ではペン操作ができない。Wacom Oneの性能を余すところなく使うには、別途ユーティリティーの「ワコムデスクトップセンター」の導入が必要だ。Webサイトからダウンロードして、MacBookにインストールしよう。

 すると、それまでタッチ操作とは無縁だったMacBookがペン操作に対応したPCへと生まれ変わる。もちろん、指を使ったタッチ操作には対応しておらず、ペンにしか反応しないのだが、それでも感動的ではある(個人の感想です)。

 モバイルディスプレイとしての使い心地だが、デフォルトの状態では多少暗い。ここはワコムデスクトップセンターで、輝度とコントラストを上げておこう。

Wacom One ワコムデスクトップセンターでは、Wacom Oneのディスプレイやペンの設定を行える。ここでは輝度を最大に、コントラストを50→87へと変更した
Wacom One 左がデフォルトの状態で、右が輝度とコントラストを調整したもの。個人的にはこのくらい明るい方が見やすいと感じた

 ディスプレイが非光沢なので、輝度を上げても目に光が突き刺さるような感覚はない。また、色調がおかしい、小さな文字がつぶれて見えない、といったこともなく、使い勝手は上々だ。

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