ペン操作可能なモバイルディスプレイとしてWacom Oneを使う最大のメリットは、書き込みの必要な作業を楽にできるということだ。イラストを描く、アイデア出しをする、フォトレタッチを行う、PDFファイルにサインするなど多岐に及ぶ。
しかし、コロナ禍のニューノーマル下での働き方、オンライン会議などではさらに別の価値が生まれる。それは、オンラインホワイトボード機能が使いやすくなるということだ。
オンラインでブレインストーミングをするとき、何が不便かといえば、言語化不能な脳内にあるモヤモヤをイラスト(言語情報を補う図版など視覚化したもの)で表現できないことだろう。
「こうでこうで、こう!」と頭の中では分かっていることでも、他人には伝わらない。言語化できなければ、音声チャットでも伝わらない。対面ミーティングであれば、ホワイトボード、または適当な裏紙を使って図を描けるのにと、地団駄を踏んでしまう。
GoogleやMicrosoft、Zoomでは、そのようなニーズに応えるべく、オンラインホワイトボード機能を提供している。ミーティング中にツールを立ち上げれば、参加者全員にシェアでき、リアルタイムに書き込める。とはいえ、マウスやタッチパッドではかなり描きづらく、さらにイライラは募るだろう。
そこで、Wacom Oneの出番だ。そもそも液タブだから書き味は抜群で、細かい描画もなんなく行える。「その矢印は、上に向いているの? それとも、下の方のグラフ?」などといらんツッコミが入ることもない。
実際に、Googleが提供しているデジタルホワイトボード「JamBoard」を使ってみたところ、ホワイトボードに描くほど精密ではないものの、線と線の間をほぼ隙間なくつなげられた。
少なくとも、タッチディスプレイに指やスタイラスで描くと、細かい描画ができない、どこに線が引けているのか分からない、線が飛ぶ、ということが頻発するのだが、そういったトラブルが起きていないことが分かる。
もちろん、アドビのIllustratorやWindowsアクセサリーのペイントなどであれば、紙とペンのような繊細な描画ができる。パッケージには「Bamboo Paperプロパック」「CLIP STUDIO PAINT PRO」(最長6カ月ライセンス)、「Adobe Premiere Rush」(2カ月ライセンス)の他にホワイトボード利用や動画の作成用のアプリを3カ月無料で試すことも可能だ。
最後に、モバイルディスプレイとしての利用を見ていこう。
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