新型コロナウイルス感染拡大を防止するための緊急事態宣言から在宅勤務に切り替わり、今なおオフィスに出社せず仕事をしている人は多い。自宅で仕事をするようになったからといって、日本の住宅事情が変わるはずもなく、書斎を持つことはおろか、自分専用のワークスペースを持つことすらままならない在宅“オフィス”ワーカーも多いだろう。
そのためか、モバイルできるサブディスプレイ(以下、モバイルディスプレイ)市場が盛り上がり、ASUS JAPANやレノボ・ジャパンといった以前から製品を出していたところだけでなく、家電メーカーのアイリスオーヤマや山善までも参入しており、クラウドファンディングサイトでも継続して登場している。
Web会議では映像の映りや音声も大事だが、ディスカッションの際に欠かせないのがホワイトボードだ。もちろん、オンラインホワイトボード機能も用意されており、それらを使いたいがためにスタイラスペン付き、あるいはスタイラスペン対応のデバイスを追加してみたものの、「想像していたように使いこなせない」「思っていたような書き心地ではない」とがっかりしたことはないだろうか。
そのような人にお勧めしたいのが、ワコムの「Wacom One 液晶ペンタブレット 13」(以下、Wacom One)だ。Wacomには安価な「One by Wacom」という板タブレットもあるが、このWacom Oneは液晶ディスプレイを備えたタブレットで、13.3型というサイズからモバイルディスプレイとしても利用できる。
これで在宅ワークや外出時のモバイルディスプレイとして、実際の使い心地はどうなのか、いろいろと試してみた。
Wacom Oneは、13.3型の液晶タブレットだ。最大表示解像度は1920×1080ピクセル、最大表示色は1677万色、最大輝度は200ニトで視野角は水平/垂直ともに170度、NTSCカバー率が72%、充電不要で4096段階の筆圧レベルに対応するペン(電磁誘導方式)が付属し、ペンの傾きも感知する。
プロ向けの上位機種となる「Cintiq」よりスペック面では劣るところはあるものの、液タブ初心者にとっては必要十分な性能を備える。同社の直販サイトではさまざまな周辺デバイスとのセットモデルが複数用意されているが、単体で税込み4万2900円(原稿執筆時は替え芯とペーパーライクフィルムが無料でセットになっていた)と、同社の液タブとしては手が届きやすい価格になっている。
この製品を発表会会場で目にしたとき、筆者は直感的に「これはサブディスプレイとして使えるッ」とひらめいた。問題は「モバイルできるか」というところだった。
今はコロナ禍だから家にこもって作業していることが多いが、対面の取材が増えれば外で作業することも増える。そこへ持っていって使えるかどうかというのが、サブディスプレイ選びで重視するポイントとなっているのだ。
それはさておき、さっそく使ってみよう。
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