Intelは5月30日(米国太平洋夏時間)、5月31日(台湾時間)に開幕する「COMPUTEX TAIPEI 2021」に合わせて、モバイル向け第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)の追加ラインアップと、MediaTekやFibocomと共同開発した5Gモデムモジュール「Intel 5G Solution 5000」を発表した。新製品を通して、同社はノートPCのプラットフォーム機能を強化し、市場での選択肢を拡充するとしている。
モバイル向け第11世代Coreプロセッサの新製品は以下の2つとなる。いずれも一般的なノートPC向けの「UP3プロセッサ」(46.5×25mmパッケージ)で、CPU部分は4コア8スレッド構成だ。
Core i7-1195G7は、Intel Turbo Boost Max Technology 3.0を適用することで、1コアのみではあるが、Uプロセッサ系統としては初めて5GHz駆動をサポートした。
その他の主要な仕様は、既存のモバイル向け第11世代Coreプロセッサ(UP3)と同様となる。TDP(熱設計電力)は12〜24Wの範囲でPCメーカーが決める。そのため、PCメーカーやモデルによってパフォーマンスの“味付け”が変わる可能性がある。メインメモリはDDR4-3200(最大32GB×2)またはLPDDR4X-4266(最大16GB×2)をサポートする。
内蔵GPUは「Intel Iris Xe Graphics」で、最大クロックはCore i5-1155G7が1.35GHz、Core i7-1195G7が1.4GHzとなる。Core i7-1195G7はGPUの最大クロックが従来の最高値(1.35GHz)よりもさらに500MHz引き上げられている。
CPUとGPUの最高クロックの引き上げを通して、IntelはCore i7-1195G7を「薄型軽量ノートPCにおけるカジュアルなゲーミングやコンテンツ作成に最適なプロセッサ」としてアピールするようだ。
Intel 5G Solution 5000は、Sub-6(6GHz以下の周波数帯)の5Gの他、4G(LTE)や3G(W-CDMA)での通信に対応する。モデム部はMediaTek製で、モジュールはFibocomが製造を担う。Tiger Lakeや、その次世代に相当する「Alder Lake」を搭載するノートPCを想定して設計されているという。
最高通信速度(理論値)は、5G NR(5Gの通信規格)ネットワークでは下り4.7Gbps/上り1.25Gbps、LTEネットワークでは下り1.6Gbps/上り150Mbpsとなる。eSIMを内蔵しており、eSIMに対応するキャリアであれば、物理的なSIMカードを用意しなくても通信を行えるようになっている(※)。
(※)別途、eSIMに対応する通信サービスを契約または購入する必要があります
このモジュールは、南米を除く世界各国で採用されることを想定しており、発表時点において日本ではNTTドコモやKDDI(au)などのネットワークに対応する予定だという。
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