プリンストンからフルHD(1920×1080ピクセル)表示と144Hzのリフレッシュレートに対応した15.6型モバイルディスプレイ「UP-M156THD」が登場した。
新型コロナウイルス感染症の拡大以降、テレワークの導入とともに注目度が上がっているモバイルディスプレイだが、主流は15.6型でリフレッシュレートは60Hz前後だ。ノートPCの画面を拡張し、オフィスアプリケーションでのデータ処理や画像編集といった、日々の事務作業をこなすには必要十分なスペックだが、ゲーミング用途には物足りない。より高いリフレッシュレートでヌルヌルとした動きが欲しい。
その点、UP-M156THDの144Hzというリフレッシュレートは、高性能なPCやPlayStation 5のような最新ゲーム機の性能を引き出すことができる。10点のマルチタッチ操作もサポートしており、ノートPC向けのモバイルディスプレイとしてはリッチな構成に感じる。
今回は、CPUにCore i7-10700(8コア16スレッド、2.9GHz〜3.8GHz)、グラフィックスカードにGeForce RTX 3060を搭載した筆者の環境にUP-M156THDを接続し、タッチ機能や高いフレームレートを活用したゲームをプレイしつつ、想定される事務作業をシミュレートしてみた。
まずは外観を見ていこう。15.6型のパネルはIPS方式で、応答速度は標準で30ms、OSDメニューからオーバードライブ(OD)を選択すると10msとなる。据え置き型のゲーミングディスプレイと比べると応答速度は劣り、144Hzで駆動させると残像が出てくる可能性がある。輝度は最大230ニトで、1W×2のスピーカーをスタンド部に内蔵している。
視野角は上下/左右とも170度と広い。発色も自然でゲームだけでなく、動画や画像の編集にも使いやすいだろう。視野角の広さを生かして、Nintendo Switchのような持ち運びができるゲーム機を電源のある外出先に持ち込み、UP-M156THDを接続して友人と一緒に大きめの画面で楽しむ、といったことも可能だ。
ディスプレイ表面には抗指紋ガラスを採用しており、表面処理は光沢(グレア)となっている。画面に指紋は付きやすいが、付属のクリーニングクロスで軽く拭くだけできれいになった。
背面にキックスタンド備えたボディーサイズは約356(幅)×224(奥行き)×7〜14(厚さ)mmで、重量は公称値が約1026g(実測は1015g)だ。モバイルディスプレイでよくあるスタンド兼用のディスプレイカバーは付属しないため、持ち運ぶ際は別途ケースなどを用意する必要がある。
キックスタンドは最大90度まで無段階に調整できる。置いたときのバランスもよく、ゴム製の滑り止めが付いているため、最大角度まで広げて置いても倒れたり、位置がずれたりしない。
本体の接続回りを見ていこう。接続端子はキックスタンド部分に配置されており、左側面に2基のUSB Type-C端子とminiHDMI端子が1基ある。USB Type-Cの接続端子は両方とも給電と映像出力に対応している。
本機では、画面出力の際の接続方法はUSB Type-CかminiHDMIで行う。USB Type-Cの場合は1本で給電とデータ転送を兼ねるが、miniHDMIで利用する場合はUSB Type-Cで接続するACアダプターが必要となる。
miniHDMIでタッチ操作を使用する場合は、さらにUSB Type-CかUSB Type-C→Type-Aケーブルを接続するなど、合計3本のケーブルが必要となることに注意したい。
またバッテリーを内蔵していないため、スマホやノートPCにUSB Type-Cで接続した場合は、接続する機器から給電する他、輝度が30%の状態で接続されるので都度調整が必要だ。USBの供給電力が不足している場合は、当然ながらACアダプターの接続も必要になる。
右側面には3.5mmステレオミニジャックに加えて、音量と輝度を調整するダイヤル、OSDメニューの表示と/電源ボタンが並ぶ。ケーブルを差した状態でノートPCなどに平行に並べて置くとケーブルが干渉するため、少し角度をつけて置き、メインの画面から視線を移したときに目との距離が同じになるようにすれば2画面の一体感が出ると同時に目が疲れにくくなるだろう。
続いて、OSDメニューやタッチ操作を試してみよう。
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