最後に、Fire HD 10と専用キーボードを組み合わせたOfficeの使い勝手についても触れておきたい。
専用キーボードとされているFintie製のBluetoothキーボード付きカバーは、キーピッチも小型ながら約17mmを確保しており、タイプ感もよい。数字が刻印されているキーの位置が、若干左寄りのため最初は戸惑うが、慣れればタッチタイプも可能だ。かな入力派を悩ませる「ろ」はスペースキーの右隣に配置されているが、これも親指で入力するものだ、と自分に言い聞かせることで解決する。
キーボード部の重量は実測で約496g、カバー部分は約135gなので、同じく約460gのFire HD 10を合体すると約1.09kgとなり、サイズはコンパクトながらややずっしりとした印象になる。
問題は、キーボードにファンクションキーとタッチパッドがないことだろうか。画面のタッチ操作でまかなえるが、ここまでキー操作に違和感がないと、カーソルを動かすため、ついつい親指がタッチパッド操作をしてしまいそうになる。画面に変化が見られないことで、「そういえば、タッチパッドがないんだった」と気づく。
幸いFire HD 10は、マウスのBluetooth接続も可能だ。余っているマウスをあてがうことで(少しもっさりはしているが)PCライクに使えるようになった。
Android版と同じOffice Mobileアプリなので、できることは限られているが、それでもWordやExcelで図形やテキストボックスの挿入ができたり、ドキュメント内に手書きできたりするなどWeb版Officeより使える印象だ。
出先でメールをチェックして返信したり、書類を下書きをしたりする、校正をするといった使い方なら十分だ。中には、Fire HD 10エッセンシャルセットだけで仕事が片付くという人もいるだろう。
Fire HD 10 エッセンシャルセットは、Officeを使いたい人も、ちょっと雑に扱える新しい端末を手に入れたい人も、またクラウドストレージを買っておいて損はないセットなのだ。
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