OFIYAA本体にある電源ボタンや+/−ボタンは、OSDで設定するのにも使う。電源ボタンを押すことで設定画面が表示され、電源ボタンで決定、2秒の長押しで戻ることが可能だ。+/−ボタンで輝度、色温度、OSD設定、その他、入力選択と切り替えられ、言語設定やHDR設定など合計30の項目でカスタマイズしていける。
ディスプレイの発色は良好で、何も設定せずともMacBook Proのディスプレイで表示するのと遜色のない色味を再現できた。もっと色にメリハリをつけたいというのであれば、「輝度」の中にある「飽和」の値を上げればいいし、キリッとさせたければ「シャープ」の値をいじればいい。
なお、デフォルトでは言語が英語になっているので、「OSD設定」の「Language」から日本語を選んでおくと分かりやすい。
実際に使って気になったのは、「+」と「−」の配置が逆だったらということだ。数直線でも、右に行けば行くほど量が多くなるんだから、右側を「+」にしていれば、よりスムーズに操作できただろう。
また、OSDの項目は垂直方向に並んでいるのに対し、「−」ボタンを押すことで1つ下の項目が選ばれる。「−」ボタンで下へ進み、「+」ボタンで上へ戻る形になるのだ。しばらく使っていてもこれにはなかなか慣れなかった。
もう1つは、ステレオサウンドには対応していないことだ。「OFIYAA-R」「OFIYAA-L」のどちらか一方しかサウンド出力が行えないのだが、PC内蔵スピーカーの音の方が良い場合が多いので、出番はあまりなだろう。
ちょっと変わった使い方もある。ノートPCのディスプレイに取り付ず、ポートレートモード表示で使うというものだ。Webページのコーディング作業をする場合などは、この方が使い勝手が良い。ディスプレイ1枚が犠牲になってしまうが、そこはそれ、大は小を兼ねるといったところだろうか。
OFIYAAには、それぞれのディスプレイにUSB Type-Cポートが2つ搭載されているため、USB Type-Cケーブル1本で接続できるPCであれば、それぞれ1ポートずつ余ってしまう。
有効活用するには、高出力の充電器と接続して、ノートPC本体へ給電する、USB Type-C→USB Type-Aアダプターなどを使ってUSB機器を接続する、といった方法がある。有線タイプのキーボードやマウスをつなげるのもいいだろう。モバイルディスプレイのためにノートPCのポートが2つふさがってしまっても、新たに2ポートを獲得できるというわけだ。
OFIYAA自体は樹脂製だし、パタンパタンと開かないといけないし、取り付け時に力がいるため顔に力が入ってしまうし、狭額縁ではないし、とあまりスマートさを感じられない製品かもしれない。
しかし、ディスプレイ1枚で作業するよりほぼ3倍もの情報を表示させられるので作業効率は格段にアップするし、湾曲ディスプレイのように周囲の目をシャットダウンできることもあり、集中して作業に取り組む際に役立つ。何より、作業している本人にとっては、子どもの頃に作った秘密基地や、夢見た要塞の中にいるような気にもなる。
「3画面ってどんな世界だろう」と気になった人は、OFIYAAの直販サイトやAmazon.co.jpでチェックしてみてはどうだろうか。通常のモバイルディスプレイとは一風違った体験ができるのは間違いない。
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