2021年のMicrosoft(PC)ハードウェアを振り返ると、「Surface Laptop 4」を筆頭に、「Surface Pro 8」「Surface Pro X(2021)」「Surface Go 3」と、タブレットやノートPC方面が比較的潤沢だったことが記憶に新しい。
2画面デバイスとしては「Surface Neo」こそほぼキャンセル状態になったものの、Androidモデルの「Surface Duo」が無事2020年にリリースされ、2021年にはカメラ機能などを大幅改良した「Surface Duo 2」が発売された。当初は米国を中心とした欧米諸国のみだったが、2022年1月にはついに日本上陸が予定されており、ようやく公式に“Microsoftの2画面デバイス”を日本でも購入できるようになった。
今回は、2022年以降のMicrosoftハードウェア事情について少しまとめたい。
筆者の周囲にはガジェットマニアが多いのか、知り合いの同業ライター諸氏が2021年秋にリリースされた「Galaxy Z Fold3 5G」を軒並み購入しており、購入価格で20万円オーバーの折りたたみ型スマートフォンの所持率が7〜8割を越えているんじゃないかという錯覚さえするほどに利用が進んでいる。
スマートフォンでも画面のサイズがそれなりにあれば、いろいろ使い方があるという好例なのだろう。そのような中で日本デビューを果たすSurface Duo 2だが、果たして彼らを揺り動かすだけのアプリケーション提案はできるのだろうか。
そういった状況下において、「“3画面”の折りたたみ型デバイス」に関する特許が出てきて話題になっている。Patently Appleが紹介しているが、申請中の特許の正式名称は「MULTI-PANEL DISPLAY DEVICE」で、申請者はMicrosoft Technology Licensing、これが2021年12月23日付けで公開されている。
「Multi Panel」ということで「2枚以上」のパネルを用いる折りたたみ型デバイスということになるが、現在のSurface Duoと比較してもいまひとつ「どういったアプリケーションが可能になるのか」というのが見えてこない点が逆に興味を引きつける。
Surface Duoの場合、ディスプレイの“表示面”を“閉じる方向”でも“開く方向”でもどちらでも展開可能だが、もし後者を選択した場合には「裏表両方がディスプレイ」になる。
もし前者を選択した場合にはディスプレイは隠れる形となるが、一方で“ヒンジ”の隙間から通知などの情報が見える仕掛けとなっており、フォルダブルで課題となる「画面を閉じている間の情報の出し方」の1つの鍵となっている。
Windows Centralでダニエル・ルビノ(Daniel Rubino)氏が触れているが、3画面であれば「残り2面を閉じた状態でも、1つの面が表示面になる」ということで、ある意味で“普通”のスマートフォンとして利用できる。
全展開すれば大画面ディスプレイとして全てを表示に使えるので、ディスプレイの応用例の1つという考え方も可能だろう。あくまで申請特許なため「実際に商品化に結びつくかは分からない」わけだが、Microsoftの折りたたみ型デバイスに対する執念のようなものを感じる。
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