プロナビ

間もなく登場の“新”OutlookにみるWindows戦略Windowsフロントライン(1/2 ページ)

» 2022年02月03日 12時00分 公開

 ちょうど1年前の話になるが、「Sun Valley」に続くMicrosoftの一大プロジェクトとして「Project Monarch」の存在を紹介した。

 別の名称を「One Outlook」といい、現状でプラットフォームやデバイスごとに独立して存在している「Outlook」クライアントを1つにまとめ、統一的なクライアントアプリとして提供することを目的とする。

 当時、初報を出したWindows Centralのザック・ボーデン氏によれば「Sun Valleyと合わせて2021年中のリリースを目指す」とのことで、本来であれば昨秋頃にSun Valleyとともに目玉のソフトウェア製品として登場する予定だった。

 Sun Valleyとは、Windowsのユーザーインタフェースを一新するプロジェクトの名称であり、過去1〜2年に渡ってWindows 10の大型アップデート(機能アップデート)に機能の一部が搭載された後、2021年後半に大規模アップデートの一環として提供されるとみられていた。

 だが実際には、Windows 10とは独立したOSとして提供が行われ、それは現在では「Windows 11」の名称で知られる最新OSとして存在している。つまり、Project Monarchは本来であればWindows 11の正式リリースと時をおかずして登場するものだったと考えられる。しかし現時点でこれに関する公式情報はなく、キャンセルまたは延期されたものだと判断できる。

Windows 11 Windows 11のスタート画面

“新”Outlookはスロースタート

 Project Monarchのその後については、ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏が報じている。同氏が情報源を通じて報じたところによれば、Monarchは過去数カ月の間にMicrosoft社内で対象範囲を拡大しつつテストが繰り返されており、現時点での登場は2022年春頃を見込んでいるという。

 ターゲットとなるプラットフォームは、Windowsのデスクトップ版(Win32/UWPでArmも含む)、macOSのデスクトップ版、そしてWeb版となっており、全体のルック&フィールはWeb版Outlookのそれに近いという。ただし、同氏の情報では現在AndroidやiOS向けに提供されているOutlookの情報が含まれていないため、モバイル版の対応については不明だ。

 正式リリースの前に、Windows Insider ProgramのDev ChannelとBeta Channelユーザーに対して、3月後半から4月前半にかけてこの“新”Outlookの提供が行われる。また7月ないし8月には“Slow Channel”への提供が開始され、当初の予定より遅れて今秋での正式リリースになるとのことだ。

 とはいえ、“Slow Channel”という名称の配信チャネルは存在しないため、おそらくRelease Previewあたりのことを意味していると考えられる。また、配信対象が“Windows Insider Program”という点だが、“Office”ではなく“Windows”という部分が気になるところだ。

 これは推測だが、もともとMonarchはWindows 10の「Mail&Calendar」を置き換える統合クライアントとしての側面を持っており、独立したOutlookとしてアプリをダウンロードさせるというよりも、Windowsの機能の一部として実装したいとの意図があるのではないかと考える。

 ジョー・フォリー氏によれば、新アプリで一気に既存の標準機能を置き換えるというよりも、よりマイルドな形で浸透させる形になるのではないかとの関係者の話を紹介している。

 気になる“新”Outlookの名称だが、前出のボーデン氏が挙げていた「One Outlook」ではなく、シンプルに「Outlook」になるというのはジョー・フォリー氏の意見だ。

 異なる機能のクライアントが混在するのは混乱の元ではあるが、UWP版を中心に徐々に置き換えが進み、新しいルック&フィールになじませていく形であれば、大きな混乱は起こらないのではないかと考える。加えて、同氏はMicrosoftが「既存のデスクトップ版Outlookを当面置き換える気はない」とも述べており、Windows 11登場と合わせてもう1つの目玉と思われていたソフトウェアは、その役割を一気に後退させたように思える。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 10万円切りMacが17年ぶりに復活! 実機を試して分かったAppleが仕掛ける「MacBook Neo」の実力 (2026年03月10日)
  2. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  3. きょう発売の「MacBook Neo」、もうAmazonで割安に (2026年03月11日)
  4. 新型「MacBook Air」はM5搭載で何が変わった? 同じM5の「14インチMacBook Pro」と比べて分かったこと (2026年03月10日)
  5. セールで買った日本HPの約990gノートPC「Pavilion Aero 13-bg」が想像以上に良かったので紹介したい (2026年03月11日)
  6. リュック1つで展示会セミナーの音響セット構築レポ 現場で得た“2.4GHz帯混信地獄”を生き抜く教訓 (2026年03月11日)
  7. 最新Core Ultra X7 358Hの破壊力! 16型OLED搭載で内蔵GPUがディスクリート超え!? Copilot+ PC「Acer Swift 16 AI」レビュー (2026年03月10日)
  8. 12機能を凝縮したモニタースタンド型の「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」が27%オフの2万3990円に (2026年03月11日)
  9. 出張や通勤で荷物が増えても安心な「ミレー ビジネスリュック EXP NX 20+」が27%オフの1万3865円に (2026年03月10日)
  10. 「iPhone 17e」実機レビュー! 9万9800円で256GB&MagSafe対応 ベーシックモデルの魅力と割り切り (2026年03月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年