昨今「自作PC」と聞いと、高性能パーツで構成された「ゲーミングPC作り」が真っ先に思い浮かぶ人は多いだろう。ここ数年はeSportsが流行した上に、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い「おうち時間」でPCゲームを楽しもうということで、ゲーミングPCを自作したり、同等のスペックを持つBTO PCを買ったりする人が増えたという話はよく聞く。
だが高性能PCの用途はゲームに限らない。レンズ交換式カメラで撮影した高解像度の写真の編集/現像や、4K(3840×2160ピクセル)やそれ超える解像度で撮影された動画の編集/書き出しなど、クリエイティブな作業をする際にもハイスペックなPCが欠かせないシーンは多い。
しかし、昨今のPCやPCパーツは「ハイスペックといえばゲーミング」といった雰囲気もある。あえて武骨さを狙ったデザインや派手なLEDライティングを備えることは、ある意味で“当たり前”である。LEDライティングは設定で消灯できるものの、武骨な外観はどうにもできない。仕事柄、筆者はPCを含む写真/動画の機材について相談を受けることも多いのだが「ちょっと見た目がなぁ……」と、スペックよりも“見た目”が気になって導入をためらってしまう人は思っている以上に多い。
ある程度落ち着いた見た目で、パワフルに写真や動画を扱えるPCは作れないものか――そんな人にお勧めしたいのが、ASUS JAPANのクリエイター向けマザーボード「ProArt Z690-CREATOR WIFI」と「ProArt B660-CREATOR D4」だ。いずれも最新の第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake-S)に対応するマザーボードで、税込みの実売価格は前者が6万3000円前後、後者が3万7000円前後である。
この記事では、ProArt B660-CREATOR D4を軸に据えつつ、両マザーボードをチェックしていく。
ASUSにはさまざまな製品ブランドがある。今回紹介するマザーボードが冠する「ProArt」ブランドはクリエイター向けという位置付けで、日本ではノートPCやディスプレイも製品化されている。
PCにハイスペックを追い求めると、昨今は良くも悪くもゲーミングPCにたどり着くことが多い。先述の通り、ハイスペックなPCが欲しくても、PC本体やパーツの見た目で敬遠してしまうクリエイターは少なくない。
その点、ASUSのゲーミングブランド「ROG(Republic of Gamers)」「TUF Gaming」のマザーボードと比べると、ProArtブランドのマザーボードは見た目が落ち着いている。もちろんLEDライティングもない。それでいて、最新のハイエンドCPUを装着できるだけのスペックを備えている。
ただし、一般的な業務用マザーボードのように外観を“割り切っている”訳でもない。バックパネルカバーはスモークブラックの樹脂仕上げとしたり、ブランドのイメージカラーでもあるゴールドをあしらったデザインを施してあったりと、大人しいながらも格好良さも保っている。
ヒートシンク付きのメモリモジュールやグラフィックスカードでも、探せば黒一色の落ち着いたデザインのものはある。それらと組み合わせることで、黒一色かつLEDが光らない、ソリッドな外観のPCを組み立てられるだろう。
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