“クリエイター向け”ってどういうこと? ASUS「ProArt」ブランドのマザーボードでRAW現像をしてみた(4/4 ページ)

» 2022年07月13日 12時30分 公開
[迎悟ITmedia]
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3DMark

 今回は「CPUパワーを使って写真のRAW現像をそこそこサクッと行いたい」という想定ではあるが、3Dグラフィックスの性能が気になる人もいると思うので、ゲームを想定した3Dグラフィックス能力をテストできる「3DMark」の結果も見てみよう。

 ここではDirectX 12ベースで負荷の大きい「Time Spy」、負荷の軽い「Night Raid」とDirectX 11ベースで負荷の大きい「Fire Strike」の3種類をテストした。各テストにおける総合スコアは以下の通りの通りである。

  • 自作PC
    • Time Spy:5513ポイント
    • Night Raid:4万8828ポイント
    • Fire Strike:1万3872ポイント
  • ノートPC
    • Time Spy:1754ポイント
    • Night Raid:1万6770ポイント
    • Fire Strike:4732ポイント

 先にいっておくと、ノートPCが搭載するIris Xe Graphicsは、CPUに統合されたGPUとしては過去世代と比べると性能が大幅に向上している。そして自作PCに搭載したRadeon RX 6500 XTは、現行の最新世代GPUとしてはエントリーからミドルローレンジを担うGPUという位置付けにある。

 しかし、結果を見れば分かる通り、エントリークラスのグラフィックスカードであってもCPUに統合されたGPUよりも3Dグラフィックス性能は高い。普段の作業で「4K(3840×2160ピクセル)ディスプレイをつないで使いたい」という場合、あるいは手持ちのクリエイティブツール(アプリ)でGPUによる処理補助(アクセラレーション)を得られることが確認できている場合は、グラフィックスカードを搭載/換装することでさらなるパフォーマンスアップを期待できる。プライベートで3Dゲームを楽しみたいという人も、高負荷なタイトルならデスクトップPCの方が確実に快適である。

 なお、今回搭載したRadeon RX 6500 XTではH.264/H.265(HEVC)フォーマットの動画におけるエンコード補助機能が省かれている(デコード補助機能はある)。そのため、動画も扱う機会が多いという人は、「Radeon RX 6600 XT」以上、あるいはNVIDIAの「GeForce RTX 30シリーズ」を搭載するグラフィックスカードを用意することをお勧めする。

3DMark 3DMarkの結果

RAW現像

 最後に、今回の“本題”である「CPUパワーを使って写真のRAW現像をそこそこサクッと行いたい」という部分の検証を行いたいと思う。

 今回はニコンの一眼カメラ「Nikon Z 7II」で撮影した100枚のRAWデータを、アドビの写真アプリ「Adobe Lightroom Classic」で長辺1920ピクセル(72DPI)のJPEGファイルとして書き出すのに掛かる時間を比較した。

 このRAWデータを等倍でJPEG出力すると解像度が8256×5504ピクセルとなる。かなりの高解像度なので、PCに掛ける負荷もそれなりに大きい。結果は以下の通りとなった。

  • 自作PC:38秒01(1秒当たり2.63枚程度)
  • ノートPC:1分15秒82(1秒当たり1.43枚程度)

 以前のモデルに比べれば、ノートPCも十分に高速な部類である。それでも、自作PCはノートPCの約2倍高速に現像を完了している。1秒当たりに換算すると差は1.2枚程度なこともあり「これくらいの差なら許容できるよ」という人もいるかもしれないが、現像すべき枚数が200枚、300枚、400枚……と枚数が増えていくと、わずか「1秒当たり1.2枚程度」が大きな差となって表れる。写真を大量に扱う場合は、デスクトップPCの方が有利になる。

 この傾向は動画の書き出しも同様で、CPU(とGPU)のパワーを引き上げやすいデスクトップPCの方が快適にこなせる。

RAW現像 Lightroom Classicで100枚のRAW写真を現像するのに掛かった時間(短い方が高速)

「自分に合ったスペック」実現しやすいProArtマザーボード

 「光らない高性能デスクトップPCなら、メーカー製のPCワークステーションでもいいのでは?」と考える人もいるかもしれない。しかし、自作であれば自分のお財布や必要なスペックに合わせて“自分好み”に仕上げやすいし、購入後の機器の換装や増設も容易だ。

 今回紹介したProArtブランドのマザーボードには、サブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud」のコンプリートプランを3カ月無料体験できるライセンス(総額1万9440円相当)が付属する。「プロが使うツールでクリエイションしてみたい!」という人にもピッタリだ。

 加えて、ProArtブランドのマザーボードには長時間の利用に耐えうる高品質なパーツが使われている。ミッションクリティカルな制作を行う際の信頼性もバッチリと確保している。

 光りはしないが、拡張性と格好良さの双方を両立できる――ASUSのProArtシリーズのマザーボードは、自作PCの新たな選択肢を広げてくれるだろう。

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