プロナビ

「ウチは無理だから……」と諦めるのは早い! 悩める情シスが知っておくべきビジネスPCの選び方:ハイブリッドワーク時代のビジネスPC選定術(第1回)(2/2 ページ)

» 2022年08月19日 12時00分 公開
[Yukito KATO,ITmedia]
前のページへ 1|2       

情シスとユーザー双方にうれしい「ゼロタッチキッティング」

 このようなデプロイメントにまつわる問題を解決する方法の1つが、情シス(管理者)が“手を触れずに”従業員用のPCをセットアップできる「ゼロタッチキッティング」だ。

 ゼロタッチキッティングにおいて、情シス側のすべき作業は以下の通りである。

  1. 企業/組織で必要なアプリやポリシー設定のデータを事前に用意する
  2. 用意したアプリやデータをクラウド(インターネット)ストレージに保存する
  3. 従業員のアカウントとアプリ/ポリシー設定の「ひも付け」を行う
  4. 従業員の新しいPCを調達し、送付する

 「4番目の手順は情シスが自らやらないといけないのでは?」と思うかもしれないが、PCの在庫をメーカー(あるいは販売代理店)に託すか都度購入に切り替えれば、配送にまつわる作業がなくなり、完全な“ゼロタッチ”が実現する。

 1台1台にポリシーを設定して、アプリをインストールして、箱に詰めて送って……という地獄のような繰り返しから解放されるだけでも、情シスにとってはかなりの負担軽減となる。ネットワークやストレージの管理/保守をインターネット経由で行える仕組みも導入すれば、情シスもハイブリッドワークに移行しやすくなる。

 一方、PCを使う側の従業員(エンドユーザー)は、新しいPCが届いたら以下の作業を行うことになる。

  1. 新しいPCを開封して電源を入れる
  2. Wi-Fi(無線LAN)や有線LANでインターネットにつなげる
  3. 自分のアカウントでログインする
  4. しばらく待つ(PCとアカウントのひも付けが行われ、必要なアプリやポリシー設定がインストールされる)
  5. 利用可能に

 アプリやポリシー設定のダウンロードに時間が掛かる点や、それに必要なインターネット回線が必要となることを除けば、従業員側におけるデメリットはほとんどない。むしろ、新しいPCを早く使い始められるという点で満足度は高まるだろう。

最近は中小規模の組織でも使えるソリューションがある

 ここまで聞くと「ゼロタッチキッティングって大企業向けの機能なんでしょ?」と思う人もいるかもしれない。確かに、かつては大企業(従業員の多い組織)を想定したものだったが、最近は中小企業やSOHOでも利用できるゼロタッチキッティングソリューションもある。

 例えば、Windows PCを使っている企業/組織ならMicrosoftのサブスクリプションサービス「Microsoft 365 Business Premium」を契約すると、Windows 10/11におけるゼロタッチデプロイメント「Windows Autopilot」を利用できる。1ユーザー当たりのライセンス料金は税別で月額2390円(※1)と、Standardプランより割高だが、エンドポイントセキュリティ機能も標準で付帯することも考えると比較的手頃でもある。

(※1)年額契約(税別2万8680円)の場合の1カ月当たりの金額。月額契約では税別2870円(年額換算で3万4440円)となるので、できる限り年額契約とした方が経費の節減につながる

Intune Microsoft 365 Business Premiumには、Windows Autopilotを利用するために必要な「Microsoft Intune」のサービスが含まれている

 業務用システムがWindowsに依存しないのであれば、Chrome OSを搭載するPC「Chromebook」「Chromebox」と、Googleのサブスクリプションサービス「Google Workspace」を組み合わせて使うという選択肢もある。

 この組み合わせはゼロタッチキッティングが非常に簡単に行える上、高いセキュリティを確保しやすいというメリットがある。業務用システムがSaaSやブラウザのみで完結するのであれば、最小構成なら1ユーザー当たり税別月額680円から利用できるので、企業や組織の“おサイフ”にも優しい。

 なお、この組み合わせによるメリットを最大化したい場合は、Google Workspaceに加えて「Chrome Enterprise Upgrade」を利用することをお勧めしたい。ライセンスは「年間」と「永久」の2種類があり、単体で購入する場合はパートナー企業を通す必要がある。

 なお、法人向けのChromebook/Chromeboxには、Chrome Enterprise Upgrade永久ライセンスが標準付帯するモデルもある。Chrome Enterprise Upgradeの導入を前提に機材を選定する場合は、ライセンス付きのChromebook/Chromeboxを選ぶのも“アリ”だろう。

Chromebook 米国ではさまざまな規模のビジネスで使われ始めたChromebook(画像は「HP Chromebook x360 13c」)

 ハイブリッドワークを実現する上で、まずデプロイメントのやりやすさを検討することが重要であることは理解していただけたと思う。次回は、Microsoft 365 Business Premiumを利用する場合と、Google Workspaceを利用する場合の2つに分けて、ハイブリッドワーク時代のビジネスPCの選び方について詳しく紹介していく。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  2. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  3. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  4. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  5. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  6. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  7. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  8. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  9. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
  10. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー