設置方法について補足しておこう。本製品はスタンド一体型で、角度調整の自由度が高いのが特徴だが、こうした一体型スタンドを備えた製品に共通するのは、縦置きにするのが難しいことだ。
本製品は左側面がナナメにカットされており、この面を下にすれば縦置き時に見やすい角度にできそうなものだが、この面にはポートがあるため、下にすることは不可能だ。その反対側、つまり右側面を下にして立てるしかない。そうなると完全に垂直になってしまい、ノートPCと並べるとやや違和感がある。もうひと工夫欲しかったところだ。
本製品はVESAマウントに対応しているので、縦向きに設置したければ、ディスプレイアームを組み合わせるのも1つの手なのだが、冒頭でも述べたようにVESAマウントの穴が4つではなく2つしかないため、強度には不安が残る。何らかの取付用オプションが用意されているわけでもないようで、少々首をひねる仕様だ。
以上ざっと使ってみたが、一通りの機能を備えており、また見た目も普通でありながら、使い勝手はなかなか癖がある製品だ。どこかが決定的に違うのではなく、いろいろな点が少しずつ違っている印象で、これまで他のモバイルディスプレイを使ってきたユーザーの中には、経験則が通じずに戸惑う人がいるかもしれない。
ただし製品の完成度自体は高く、大きな欠点もない。中でも画面は明るく、視野角もスペック以上に広く感じられるので(ちなみに製品ページには、視野角が170度と178度、2種類の異なる記述がある)、多くの人数で1つの画面を覗き込む用途にも耐えうる。USB Type-C接続で輝度を高くした場合に、電力不足による不安定さも感じられないのもよい。
実売価格は2万円台後半と、フルHDかつタッチ非対応の15.6型としてはやや高めだが、それだけの価値がある製品だ。ACアダプターも、不要な人には無用に思えるが、据え置きで使う場合にはあった方が安定して使えるので、そうした付属品も考慮すべきだろう。
なお本製品から少し遅れて、ほぼ同じスペックで、接続方法をUSB Type-Cに限定したモデル「16B1P3302/11」が発表されている。これから本製品の購入を検討するのであれば、こちらも要チェックと言えそうだ。
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