ネジ締めの練習が終わったら、いよいよ組み立て作業に移る。作業は全13工程に分かれており、途中で10分間の休憩を挟んで90分で完了することを目標に進められる。
前編でも触れた通り、今回の教室では本来223点の部品を13分で組み立てる所を、一部の部品をあらかじめ組み立てておくことで43点の部品を90分で組み立てるようにしている。「これなら余裕では?」と思うかもしれないが、実際にやってみると意外と余裕はない。普段、工場でノートPCを組み立てている人たちがいかにスゴいのかを思い知らされることになる。
まず、Cカバー(キーボードとパームレスト)にメイン(マザー)ボードを組み付ける作業を行う……のだが、メインボードをコンテナから取り出すのに少し難儀してしまった。思った以上にしなやかだったからだ。
自作を含むデスクトップPCのマザーボードは、ノートPCベースの設計のものを除いて多少の厚みはあり、持っただけではそうたわまない。しかし、軽量化やコンパクト化が進んだノートPCのそれは、デスクトップPCと比べると薄いだけはなく、形状も複雑なことが多い。持ち方次第では部品の自重で折れてしまうのではと思ってしまうほどだ(実際にはそう簡単には折れない)。
ちなみに、島根富士通ではメインボードを自社内で生産している。今回組み立てる「LIFEBOOK WU2/F3」の場合、メインボードには1300個ほどの部品が実装されているという。高密度な実装ができる技術力をさり気なくアピールしている。
Cカバーとメインボードを組み付ける際も、少し難儀してしまった。LIFEBOOK WU2/F3のCカバーには指紋センサーと一体となった電源ボタンがあらかじめ装着されており、メインボードと一緒に“共締め”することになる。
そのため、メインボードを取り付ける前に、電源ボタンのフレキシブルケーブルを保護しているテープを外さないといけないのだが、テープを外す際にいきおい余って電源ボタンが外れてしまった。
一度外れた電源ボタンを、素人の手で元通りにするのは難しい。早速LOOXの「応援」ボタンを押して元通りにしてもらったのは言うまでもない。
気を取り直して、Cカバーにメインボードを組み込んでいく。Cカバーにはマザーボードの位置を決めるピンがある。(裏返して見た場合の)右側面のポート類に合わせる形でメインボードを差し込んでから、左側面にある位置ピンにボードをはめ込めばピッタリ入る。
ただし、Cカバーから出ている各種フラットケーブルがメインボードの下に入り込まないように気を付けなければならない。ケーブルを上に出す作業が、意外と神経を使うものだった。本当に、普段から組み立てている工場の人たちはすごい。
なお、部品の組み付けはタブレットの画面表示とは別に動画での説明も流れていた。この点は非常に親切で、困った時は動画を見れば何とか作業を進められた。
メインボードの位置決めができたら、金具とネジを使って固定していく。
ネジや金具など、細かい部品は工程ごとに区分けされており、使う工程になったら都度取り出すようになっていた。部品の混同や紛失を防ぐための工夫である。ネジは「ネジ入れ」に取り出して、きちんと本数が足りているかどうか確かめてから作業を進めた。
メインボードの位置決めとは違い、固定は難なく進められた。
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