セイコーエプソンは11月17日、オフィス向けA3インクジェット複合機「WorkForce Enterprise<LM>シリーズ」を発表した。発売は2023年2月上旬を見込んでいる。
本発表に合わせて、同社は複合機を含むビジネス向けのレーザープリンタを2026年をめどに終売する方針も明らかにした。終売後も、トナーを初めとする消耗品の販売や保守対応は継続される。
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WorkForce Enterprise<LM>シリーズは、環境負荷の低減に取り組む同社の長期ビジョン「Epson 25 Renewed」を担う戦略モデルという位置付けである。
同社では熱を使わずにインクを吐出する「Heat-Free Technology」を適用したビジネス向けインクジェットプリンタ/複合機を順次展開してきたが、中速度帯の(毎分40〜60枚の印刷に対応する)複合機がラインアップに欠けていた。本シリーズは、それを補完するためのモデルでもある。
シリーズのラインアップは、印刷スピードの速い順に「LM-C4000」「LM-C5000」「LM-C6000」の3モデルで構成され、それぞれ毎分40枚、50枚、60枚の印刷が可能だ(A4横/片面印刷の場合)。各モデル共に10.1型タッチパネル、両面印刷機能や有線LANポートを標準装備している。
今回のシリーズでは、内部機器のレイアウトを「Sパス」から「Cパス」に変更することでボディーをスリム化している。そのため、従来の「WorkForce Enterprise<LF>シリーズ」と比べると、フットプリント(設置面積)は35%削減できるという。
環境負荷の削減という観点では、A3レーザープリンタ(毎分40枚印刷対応機の標準仕様)と比べると年間の二酸化炭素排出量を62〜66%削減できるという(消費電力ベースでの比較)。インクのカートリッジサイズや供給方法を変更することで廃棄物の削減を果たすと同時にメンテナンス性も向上している。
今回リリースされた3モデルは、プリンタや複合機を月額利用できるオフィス向けサブスクリプションサービス「エプソンのスマートチャージ」にも対応している。提供開始は製品の発売と同じ2023年2月上旬を予定している。オール・イン・ワンプラン(完全サブスクリプション)の標準月額料金(税別)は以下の通り。このプランの標準構成には「増設カセット(2段)」「ファックスユニット」「無線LAN(Wi-Fi)モジュール」「ハードディスク(キャッシュ用)」も付帯する。
なお、これら3機種は機器を購入した上で、「交換用インク/メンテナンスボックス」「保守サービス」を印刷枚数に応じたチャージ課金で提供する「カウンター・チャージプラン」にも対応している。本体の標準価格(税別)は155万円からとなる。
冒頭で触れた通り、セイコーエプソンでは2026年をめどにレーザープリンタの販売を終息する。
同社は「地球を友に」という理念を掲げており、Epson 25 Renewedでも「脱炭素」「資源循環」の取り組みを強化することを打ち出している。インクジェットプリンタと比べると、レーザープリンタは消費電力がどうしても大きくなる上、継続利用する際に交換しなければいけない部品も多くなってしまう。
そのこともあり、主に脱炭素の推進を進める観点から、同社はレーザープリンタの販売を終息することに決めたようだ。ただし、レーザープリンタの消耗品販売と保守サービスは継続して提供される。
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