Qualcommは、ハワイで開催された年次イベント「Snapdragon Summit 2022」において、次世代CPUブランド「Oryon」とARグラス向けの「Snapdragon AR2 Gen 1」を発表した。
Oryonは、同社が買収したNuviaの技術を利用したCPUだ。NuviaはAppleでAppleシリコンの設計に携わったエンジニアらが設立した企業で、Qualcommのクリスティアーノ・アモンCEOは、AppleのMシリーズ上回る性能のチップを開発すると語っていた。今のところ、ブランド名が「Qualcomm Oryron CPU」になるということ以外、詳細は明かされていない。
もう1つのSnapdragon AR2 Gen 1は、ARグラス向けの専用チップとなっている。Qualcommはこれまでも、XR(VR/MR/AR)向け製品として、Snapdragon XRシリーズを展開しており、例えば10月に発売された「Meta Quest Pro」にはSnapdragon XR2+ Gen 1が搭載されている。Snapdragon AR2 Gen 1は、そのXRシリーズの中でもAR特化型という位置付けだ。
Snapdragon AR2 Gen 1はCPUとGPUを含むメインのARプロセッサ、AIや画像処理用のARコプロセッサ、通信関連チップの3つから構成されている。こういったチップはSystem on Chip(SoC)として1つにまとめられるのが一般的だが、Snapdragon AR2 Gen 1ではあえて3つが分散した形となっている。
別々にすることで占有サイズを小さくし、ARグラスなどの小さなスペースへの搭載を容易にすることが狙いだ、なお、AI処理性能はSnapdragon XR2と比較し2.5倍高速になり、消費電力は50%削減しているとのこと。Qualcomm FastConnect 7800を利用して、Wi-Fi 7にも対応する。
Lenovo、LG、Nreal、OPPO、Pico、QONOQ、Rokid、Sharp、TCL、Vuzix、Xiaomiなどが既に搭載製品の開発に入っているとのことだ。
TP-Linkは11月14日(現地時間)、Wi-Fi 7製品の発表会をオンラインで実施し、対応製品を2023年第1四半期に出荷すると発表した。日本での展開は今のところ発表されていないが、2023年以降、順次発売されるものと考えられる。
Wi-Fi 7は「IEEE 802.11be」として2024年にリリースが予定されているWi-Fiの次世代規格だ。Wi-Fi 6/6E(IEEE 802.11ax)が最大9.6Gbpsなのに対し、最大46Gbps(いずれも理論値)と大幅に高速化する。
また、2.4GHz/5GHz/6GHzの3つの周波数帯を使用でき、複数のリソースユニット(RU)を組み合わせて利用するMulti-RUや、複数のバンドとチャンネルでデータを同時に送受信できるMLO(Multi-Link Operation)も特徴となっている。
TP-LinkがWi-Fi 7対応製品として発表したのは、メッシュルーターの「Deco BE95」「Deco BE85」「Deco BE65」、Wi-Fiルーターの「Archer BE900」「Archer BE800」「Archer BE550」、ゲーミングルーターの「Archer GE800」、法人向けWi-Fiアクセスポイントの「Omada EAP780」「Omada EAP770」だ。
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