各種設定を行うOSDメニューは、本体左側面上方にあるボタンを使って操作する。本製品はモバイルディスプレイとしては珍しく、メニュー操作用に4つもの物理ボタンを備えており、項目の移動や選択も容易だ。表示内容に応じて各ボタンの役割が入れ替わるので最初はやや混乱するが、現在の役割は画面上に表示されるので、それを見ながら操作するとよい。
多くのモバイルディスプレイでは、メインメニューを呼び出さずに明るさを調整できるショートカットがボタンに割り当てられているが、本製品はデフォルトでは入力切り替えが割り当てられている。おそらく、多くのユーザーは明るさの調整の方が利用頻度が高いはずなので、メニューで割り当てをカスタマイズしておくとよいだろう。
本製品は、前述のように縦置きでの設置にも対応しているが、縦横を頻繁に切り替えるようであれば、本体側に用意されている自動回転メニューをオンにするとよい。デフォルトではオフになっているので、手動で設定する必要がある。
また、こちらもデフォルトでは無効になっているが、本体正面右下にある近接センサーを使えば、画面の前に誰かがいる場合だけ電源オン、いなくなればオフにできる。離席をする機会が多い人にとっては便利に使えるかもしれない。
以上ざっと使ってみたが、有機ELを採用した画面の美しさもさることながら、両側面に搭載された接続ポート、自動回転メニューや近接センサーといった、使い勝手を重視した機能の数々が目立つ製品だ。縦向きの設置も可能なように、工夫されたスタンド兼用カバーや、フードとしても利用できるパッケージの箱など、本体以外の付属品にも工夫が凝らされている。
昨今のモバイルディスプレイは価格競争が激しく、コストを下げるために操作性が犠牲になっていることもしばしばだが、本製品はそれらにも十分配慮されており、他社の13.3型のモバイルディスプレイと比較しても、利用時の満足感は圧倒的に高い。
同社直販のASUS Storeでの価格は税込み5万8320円と、一般的な13.3型のディスプレイに比べると高価だが、実際に使ってみると価格に見合った価値はある。保証期間が2年と、一般的なモバイルディスプレイより長く、よい製品を長く使いたいユーザーにおすすめできる一品だ。
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