高性能化が進むグラフィックスカードは同時に必要な電力も上がり、高い発熱を処理するために長大なクーラーが求められるようになっている。それに伴い、自作パーツ市場でもトレンドの広がりが見られた。
1年で定番化がさらに進んだのはGPUホルダーだ。グラフィックスカードが自重でたわんだり、マザーボードに負担がかかったりするのを抑える目的で導入するユーザーが増えており、標準でホルダーが付属するハイエンドカードも珍しくなくなっている。
単品販売では、マグネットでケースに固定できる「VGAサポートステイXS マグネット式」のホワイトエディション(1600円弱)や、背面ブラケット側でカードを支える「N-VGA-PROTECT」(1500円前後)などが長尾製作所から登場してロングヒットしている。また、ASUS JAPANから登場した光るホルダー「ROG Herculx Graphics Card Holder」(5700円前後)も7月初旬の登場時に売り切れが続出した。
高い電力が求められるようになったことで、秋から注目されているのは「12VHPWR(12V High Power)」だ。GeForce RTX 40シリーズなどのPCIe 5.0対応カードに電力供給するケーブルで、ATX 3.0規格に準拠する電源ユニットが対応する。
9月末にはSilverStoneが「HELA 850R Platinum」(4万円前後)で投入し、翌月以降はサーマルテイクの「TOUGHPOWER GF3」シリーズ(3万円弱〜)や、MSIの「MEG Ai1300P PCIE5」「MPG A1000G PCIE5」(6万5000円前後と3万4000円前後)などが続いた。
また、Corsairの「PCIe5.0 12VHPWR PSU Cable」(2500円前後)のように、既存の電源ユニットに追加できる12VHPWRケーブルも登場して人気を集めている。
秋頃にドスパラ秋葉原本店は「RTX 4090カードが登場してから12VHPWR対応の電源を求める人は如実に増えました。品薄で目当てのRTX 4090搭載カードが買えなくても先に12VHPWR対応電源を買っておくパターンや、逆のパターンも普通にあります」と現状を語っていた。
まとめの後編は、CPUとストレージ、そして街の空気感の変化を振り返ってみたい。
→・【後編】コロナ禍の影響と子供連れが減ったアキバ自作街の1年
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