落ち着かない価格、ヒットを続ける30万円のグラフィックスカードアキバの2022年まとめ【前編】(3/4 ページ)

» 2022年12月28日 13時00分 公開
[古田雄介ITmedia]

Intel Arc――「Intel 740」以来のIntel製ディスクリートGPUが登場

 グラフィックスカードの下半期では、Intelの動きも見落とせない。1998年の「Intel 740」以来となる、同社のディスクリートGPU「Intel Arc A380」を搭載したカードが9月にASRockから登場している。「Intel Arc A380 Challenger ITX 6GB OC」で、価格は3万円弱だ。

Intel Arc A380 Challenger ITX 6GB OC パソコン工房 秋葉原BUYMORE店に並ぶ「Intel Arc A380 Challenger ITX 6GB OC」(9月22日)

 その後、10月には「Intel Arc A750」搭載カードが投入され、ハイエンドの「Intel Arc A770」カードも11月に出回るようになった。初回に登場したカードの価格は5万5000円前後と7万円弱となる。

 GeForceやRadeonと比較検討して購入する向きはまだほぼない様子で、多くのショップからは検証用や記念品として購入するケースをよく聞いた。また、A380カードについては「3万円切りでAV1ハードウェアエンコーダーが使える」という利点に注目するユーザーも増えているという。

TSUKUMO eX.に入荷したASRockのArc A740カード「Intel Arc A750 Challenger D 8GB OC」 TSUKUMO eX.に入荷したASRockのArc A740カード「Intel Arc A750 Challenger D 8GB OC」(10月28日)
オリオスペックに入荷したIntel純正の「Intel Arc A770 16GB」 オリオスペックに入荷したIntel純正の「Intel Arc A770 16GB」(11月11日)

 Intelはモバイル向けGPU「Intel Arc A770M」をオンボードで搭載したゲーミングNUCも10月に投入している。14コア20スレッドのCore i7-12700Hを採用した「Intel NUC 12 Enthusiast Kit」で、価格は24万8000円前後だ。

 入荷したパソコン工房 秋葉原BUYMORE店が「値段が値段なので様子見感がありますが、何にどれくらい使えるのか気になっている人は多い様子です」と語る通り、さまざまな用途での活用を考えているユーザーがそれなりにいる様子だ。

パソコン工房 秋葉原BUYMORE店に並んだ「Intel NUC 12 Enthusiast Kit」のトールケース パソコン工房 秋葉原BUYMORE店に並んだ「Intel NUC 12 Enthusiast Kit」のトールケース(10月7日)

 そうしたニーズを受けてか、Intelの“ドクロNUC”もゲーミング一色ではない展開が見られるようになっている。4月に登場したグラフィックスカードが組み込める「Intel NUC 12 Extreme Kit」は、フロントにドクロが光るギミックを組み込んでいたが、12月に登場した次世代の「Intel NUC 13 Extreme」は左側面に小さくプリントするに留めている。

 オリオスペックは「以前からゲーム以外の用途でも人気があって、『ドクロは光らなくていい』という声がありましたからね」と話していた。

「Intel NUC 12 Extreme Kit」の外観。電源を入れるとフロントにドクロが光る仕様になっている 「Intel NUC 12 Extreme Kit」の外観。電源を入れるとフロントにドクロが光る仕様になっている。オリオスペックにて撮影(4月15日)
NVIDIA RTX A5000を搭載した「Intel NUC 13 Extreme」。オリオスペックにて撮影 NVIDIA RTX A5000を搭載した「Intel NUC 13 Extreme」。オリオスペックにて撮影(12月23日)

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