第12世代Coreにシェアトップの座を奪われたAMDは、ラインアップの拡充と値下げキャンペーンで対抗した。
4月中旬に「Ryzen 7 5700X」(4万3000円弱)などの3モデルを追加したのを皮切りに、その翌週にはL3キャッシュを96MBまで増やした特別モデル「Ryzen 7 5800X3D」(6万5000円強)を投入。6月に入るとエントリークラスの「Ryzen 5 4500」(1万7000円強)と「Ryzen 3 4100」(1万4000円強)を加え、8月にはワークステーション向けに「Ryzen Threadripper PRO 5000WX」シリーズ(38万円前後〜)を売り出して、それぞれ話題となっている。
並行して、3月から既存のラインアップを期間限定で大幅値引きするキャンペーンを頻繁に打つようになり、9月下旬には「Ryzen 9 5950X」が7万4000円、「Ryzen 5 5600X」が2万5000円を切る価格表が複数のショップに貼られるようになった。いずれも効果があったものの、Intelの安定した優勢状態を覆すには至っていない。
大きな盛り返しは新CPU「Ryzen 7000」シリーズの投入だ。第13世代Coreが販売開始されるより3週間早い9月30日、最上位の「Ryzen 9 7950X」(11万7800円前後)を含む4モデルと、新しいSocket AM5に対応するAMD X670E/X670チップセット搭載マザーボードを売り出している。2017年3月にSocket AM4採用マザーが登場してから5年半ぶりの新ソケットとなり、各ショップは大いに盛り上がった。
AMD X670E/X670搭載マザーは当初品薄だったものの、少しずつ供給状況が改善した上、10月半ばには下位のAMD B650E/B650チップセットを採用したモデルも加わったことで、新しいプラットフォームを導入する裾野は広がっている。
シェア争いで見ると、Intel優勢に変わりはない。それでも、秋以降は「Ryzen 7000シリーズになってDDR5とPCIe 5.0をサポートする選択肢も広がりましたし、Intelとかなり互角に戦えている印象です」(TSUKUMO eX.)など、肯定的な評価がよく聞かれるようになったのは確かだ。
次に、ストレージの動きを見ていこう。
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