終了間際に、これでもかと出てくるのが「Internet Explorer 11(IE11)」の話題だ。多くが知るように、IE11のサポートが2022年6月15日に終了している。
ここで終了したのは、いわゆる「デスクトップ版」と呼ばれるもので、アプリケーションとして単体動作が可能なものだ。描画エンジンとしてのIE(いわゆる「MSHTML.dll」)は引き続き残るので、他のアプリケーションから機能としては呼び出せる。
こういった経緯もあり、「IE11サポート終了の本当の問題って何だろう」の記事でも触れたように、PCにおけるインターネットブラウザの歴史を作ってきた立役者が27年近い歴史に幕を下ろし、一般の人の目からは消滅するといったこともあり、各方面から追悼コラムのようなものがたくさん出てきたわけだ。
このようにIE11のサポートそのものは終了したものの、その時点ではまだアプリケーションそのものは残っており、実行は可能だ。Microsoftではアプリケーションそのものを無効化することを予告しており、その予定日は2023年2月14日としていた。
同日は第2火曜日にあたり、いわゆる「Patch Tuesday」と呼ばれる月例のセキュリティアップデート配信と合致するため、セキュリティ対応の一環としてIE11が無効化されると考えられていた。だが同社が「New details on IE11 desktop application permanent disablement scheduled for February 14, 2023」のドキュメントで触れているように、“セキュリティパッチ”ではなくMicrosoft Edge向けのアップデートという扱いにするとしており、このあたりの事情はこちらでのレポートの通りだ。
ただし、このIE11無効化の対象となるのは主にWindows 10の“クライアントPC”で、Windows 10 LTSCやWindows Server、Windows 7 ESU、Windows 8.1などは対象外とされている。
もっとも、Windows 7 ESU/8については2023年1月10日時点で延長サポートが終了してしまうため、2月14日のIE11無効化を前にOSそのものがサポート対象外となってしまう。つまり、IE11のデスクトップ版はWindows 10 LTSCとServerでのみサポート終了まで生き続けることになる。
なお先ほどの記事でも触れているが、サポート期間は不明ながらMicrosoft Edge経由で利用する「IE mode」の他、IEコンポーネント(MSHTML.dll)はIE11無効化後もそのまま動作するため、“インターネットブラウザとしてのIE”を利用しようとしたときにのみ乗り換えが必要となる。
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