続いてはAndroidだ。こちらもWindowsと同様にMiracastでの接続となるが、AndroidにはGoogleの「Pixel」シリーズを始めとしてMiracast非対応のデバイスが少なくなく、あらゆるAndroidデバイスで使えるわけではないので要注意だ。前回紹介したASUS JAPANの「ZenScreen Go MB16AWP」の場合は、Chromecastを用いてPixelシリーズからの接続も(低解像度ながら)可能だったが、本製品は試した限り検出自体が行えなかった。
一方、ZenScreen Go MB16AWPでは接続できたAmazonのMiracast対応タブレット「Fire HDX 8.9」は、検出までは正常に行えるものの、エラーが発生して接続を完了できなかった。筆者手持ちのAndroidデバイスできちんと動作したのは、先日別レビューで紹介したE Inkタブレット「BOOX Tab Ultra」だけだった。
現実的に、本製品に合わせてスマホやタブレットを買い替えるのは本末転倒なので、こうした対応機種の狭さは悩ましい問題だ。Android対応はあくまでオマケと割り切れば問題ないのだが、一定のシェアもあるPixelシリーズで使えないのは気になるところだ。現状、Androidで利用する場合は、同社が公開している動作確認リストを必ずチェックするよう心掛けたい。
最後にiOSだ。こちらはWindowsやAndroidと違ってWi-Fiへと接続した後に、同社の独自アプリをiOSデバイスにインストールし、そこから接続を行う流れになる。
ZenScreen Go MB16AWPの場合だと、Wi-FiでiOSデバイスと1対1でアドホック接続し、AirPlayを使って表示していたが、本製品はアドホックではなく通常のアクセスポイントに接続した上で、AirPlayの代わりに自前の専用アプリを使う流れになる。ちなみにmacOSもほぼ同じだ。
そういった意味で、アプリさえインストールしておけば手間もかからず、接続もスムーズなのだが、パフォーマンスについてはいまいちだ。例えばホーム画面を左右にスワイプした場合、スワイプしてホーム画面が切り替わってから、ようやく本製品側が動き始めるといった具合で、スピーディーな動作とは程遠い。
これらの挙動はCPU性能によっても多少変わるようだが、根本的に遅いことに変わりはない。フレームレートを落としたり、解像度を下げたりするなどの調整機能もないため、現状ではパフォーマンス的にこれが限界のようだ。
ZenScreen Go MB16AWPは有線接続と大差がないレベルで、スクロールなどの動作でもほぼ遅延のないパフォーマンスを見せていたことを考えるとやや寂しい。今のところ、画面に合わせてプレゼンテーションを行うような用途では、少々厳しいように感じられた。ちなみにiOSではペンはもちろん、タッチも非対応になるので要注意だ。
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