さて、本製品ならではの機能として注目したいのは、センサーライトだ。本製品はナイトビジョンを搭載し、夜間でも撮影を行えるのだが、それに加えてセンサーライトを内蔵し、照明を点灯させての撮影も行えるという二段構えの設計になっている。
もっとも、このセンサーライトは録画のための補助照明というよりは、最近の一軒家ではよく見かける、玄関先に誰かが侵入してきた場合に照明を点灯させるという、セキュリティ用途を念頭に置いた機能だ。手動での点灯も可能なので、活用の範囲は広い。
なお、このセンサーライトは前述のモーション検知と連動する。動きを検知したら照明が点灯し、同時にアプリに通知が飛んでくるという流れだ。試しに前述のゾーン設定を施した状態で、ゾーンにゆっくり足を踏み入れたり、すばやくサッと入ったりといった動作を行ってみたが、かなり正確に検知して点灯する。
モーションは1度検知するとしばらく通知しなくなるので、出たり入ったりという繰り返しの動作には追い付かないが、侵入者に対する威嚇としては十分に実用的だ。いずれにせよ、ゾーン設定をしっかり行っておくことが大前提になる。
本製品はバッテリー駆動ゆえ、あまり照明を使いすぎるとバッテリーの消費につながるので注意したい。照明によるバッテリーの消費を抑える方法としては、ライトの明るさを設定で下げる、モーション検知の頻度自体を下げるなどの方法が考えられる。
ちなみに日没や日の出と連動してオン/オフさせたり、時間帯を指定して常時オンにしたりするスケジュール設定にも対応するが、これらはバッテリー駆動時は利用できない。それだけ多くの電力を消費するということだろう。なお本製品の明るさは最大375ルーメンとかなり明るいが、バッテリー駆動時はこの明るさ自体が制限されるので気をつけたい。
本製品は以前紹介したドアベルと違い、バッテリーを2個内蔵できる。このバッテリーがどの程度持つかも気になるところだ。
バッテリーは標準で1個付属しており、もう1個は買い足す必要がある(3480円)。もちろん1個でも駆動はできるのだが、ダウンタイムなしで運用するには2個必要なので、よほどの事情がない限りは買い足した方がよいだろう。
このバッテリーを2つを同時に挿入した状態では、片方のバッテリーがより早く減っていく。もし2つ同時に減っていくようであれば、どちらを交換すべきか判断しづらいが、この仕様ならば一目瞭然だ。
では優先して使われるバッテリーに法則性はあるのだろうか。試しに残量が少ないスロット1側のバッテリーを抜き、残量が多いスロット2側のバッテリーだけが認識される状態にした後、再びスロット1にバッテリーを挿したところ、スロット1のバッテリーが減り始めた。
続いて両方をスロットから抜き、スロット1に残量の多いバッテリー、スロット2に残量の少ないバッテリーを再装着したところ、今度は残量の多いスロット1側のバッテリーが消費され始めた。これを見る限り、スロット1側が優先的に消費される設定であるように見える。
現状では目くじらを立てるほどではないのだが、どちらかというとスロットと無関係に、残量が少ない側を優先して使う仕様の方が、交換のタイミングが図りやすい。せっかく2つのバッテリーを使える以上、このあたりのアルゴリズムは将来的に見直されてほしいものだ。
気になるバッテリーの減り具合だが、1日に数回通知が飛んでくる環境で1カ月放置しておいて約20%の減少だったので、2つのバッテリーを合わせれば、1年はさすがに無理でも半年程度は持つ計算だ。前回紹介した「SwitchBot 屋外カメラ」と完全な同一条件で試用したわけではないが、体感的には本製品の方が、バッテリーの消費は緩やかに感じられた。
なおバッテリーの交換時、バッテリーを覆っているキャップを半回転させて取り外す時に、カメラ本体の角度が変わってしまいやすい。またキャップにあるネジを緩める段階でも角度が変わりやすい。
これを防ぐには、カメラの支柱にあるネジをなるべく強めに締めつけ、キャップをひねる動作に影響されにくいようにしておきたい。カメラの角度が変わると、モーション検知の設定エリアがずれてしまい、おかしな通知が飛んでくる可能性があるからだ。
最後に、本製品の盗難防止策を見ていく。
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