NVIDIAは5月18日(米国太平洋時間)、デスクトップ向けGPU「GeForce RTX 4060シリーズ」のラインアップを発表した。「GeForce RTX 4060 Ti(8GBモデル)」は5月24日、「GeForce RTX 4060」と「GeForce RTX 4060 Ti(16GBモデル)」は7月中に発売される予定で、搭載グラフィックスカードの米国における想定販売価格は、GeForce RTX 4060が299ドル(約4万1100円)から、GeForce RTX 4060 Ti(8GBモデル)が399ドル(約5万5000円)から、GeForce RTX 4060 Ti(16GBモデル)が499ドル(約6万8600円)からとなる。
なお、日本ではGeForce RTX 4060 Ti(8GBモデル)が5月24日22時に発売される見通しで、税込みの想定販売価格は6万9800円からに設定されている。
GeForce RTX 4060シリーズが一挙に発表された
GeForce RTX 4060シリーズの登場をもって、デスクトップ向けの「GeForce RTX 40シリーズ」のラインアップは一応の完成を見る
GeForce RTX 4060シリーズは、最新の「Ada Lovelaceアーキテクチャ」を採用するコンシューマー向けGPUのエントリーモデルとして位置付けられる。
深層学習ベースのAI(人工知能)を使った超解像技術「DLSS(Deep Learning Super Sampling)3」を活用することで、フルHD解像度(1080p/1920×1080ピクセル)において高フレームレートかつ高画質でゲームを楽しめることを目指して開発されたという。AV1コーデックに対応するハードウェアエンコーダーも搭載しているため、高解像度かつ小容量の動画作成にもピッタリともされている。
Steamでの統計によると、ユーザーの5分の4は「60クラス(≒エントリークラス)」のGPUを搭載するPCを使っており、77%がフルHD以下の解像度でゲームを楽しんでいるという。今回登場するGeForce RTX 4060シリーズは、フルHD“以上”でゲームを快適に楽しんでもらう ためのアップグレードパスと考えているようだ
具体的なラインアップと、主な仕様は以下の通りとなる。なお、GeForce RTX 4060 Tiについては、グラフィックスメモリの容量が2種類用意される。
GeForce RTX 4060
シェーダー演算能力:15TFLOPS
RTコア演算能力:35TFLOPS
Tensorコア演算能力:242TFLOPS
L2キャッシュ:24MB
グラフィックスメモリ:8GB
TGP(ゲームプレイ時の通常消費電力):115W
GeForce RTX 4060 Ti
シェーダー演算能力:22TFLOPS
RTコア演算能力:51TFLOPS
Tensorコア演算能力:353TFLOPS
L2キャッシュ:32MB
グラフィックスメモリ:8GBまたは16GB
TGP:160W
GeForce RTX 4060と、1世代前(GeForce RTX 3060)と2世代前(GeForce RTX 2060)の比較。消費電力を削減しつつも、演算能力は確実に高まっている
GPU以外の環境をそろえた上で、18のゲームタイトルで平均フレームレートを比較した場合、フレーム補間(Frame Gen)を使わなくても改善効果はあるのだが、フレーム補間をするとさらに改善を図れる
ゲーム単位で比較した場合のグラフ。DLSSを活用すれば、比較的処理の重いタイトルで高画質設定としても快適に楽しめそうである
ワースト1%のフレームレートを取った場合も、GeForce RTX 4060なら多くのゲームで60fpsを超えるようだ
GeForce RTX 4060 Tiと、1世代前(GeForce RTX 3060 Ti)と2世代前(GeForce RTX 2060 SUPER)の比較。Tiのないモデルと比べると消費電力こそ大きくなるが、「ワッパ」こと消費電力当たりのパフォーマンスは改善していることには変わりない
Ti(SUPER)なしのモデルと同様に、フレームレートの改善効果は大きい(GeForce RTX 4060 Tiは8GBモデルで比較)
ゲーム単位での比較。GeForce RTX 4060 Ti(8GB)のフレームレートは、明らかにGeForce RTX 4060のそれよりもさらに改善している
GeForce RTX 4060 Tiには16GBモデルもあるが、グラフィックスメモリをより多く求めるタイトルではフレームレート改善効果もあるようだ
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.