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Windows 11の現状と2023年登場がうわさされるWindows 12の考察Windowsフロントライン(2/3 ページ)

» 2023年08月04日 06時00分 公開

「Windows 11 23H2」と「Windows 12“Hudson Valley”」

 以前の記事で触れたように、現在のWindows 11はWindows Insider Programにおいて4つの“Channel”を介して並行テストが行われている。

 筆者の認識では、Beta ChannelとRelease Previewについては現行(あるいはリリース直前)ビルドのお試し版、Dev Channelは先行機能テスト版、Canary Channelは“さらに先のWindows”に関するテスト版という位置付けと考えている。

 本稿執筆の2023年7月末時点でのBeta ChannelとRelease Previewはビルド番号が「22xxx」、Dev Channelは「23xxx」、Canary Channelは「25xxx」だ。おそらくだが、バージョン番号でいえば現在の最新版である「22H2」が「22xxx」、そして2023年中に登場する次のバージョン「23H2」に相当するのが「23xxx」ではないかと考えている。

 Windows 11は1年に1回の大型更新が行われるサイクルで開発が進んでおり、その“さらに次”は「24H2」ということになるが、Windows Centralのザック・ボーデン氏など複数の情報源が示唆するのが、この24H2が「Hudson Valley」の開発コード名で内部的に呼ばれており、最終的に「Windows 12」としてリリースされるのではないかということだ。

 Windows Insider Programは、以前であればDev Channelで安定したビルドがBeta Channelへと送られ、さらに正式リリース直前に最も安定したバージョンがRelease Previewでテストされるという落下傘方式を採用していた。

 現在では必ずしもこの構図ではなく、Dev Channelから逆にCanary Channelに機能がフィードバックされることもあるし、Beta Channelにある機能がDev Channelではないというケースもある。ただ1ついえるのは、Canary Channelを眺めることで「Windows 12」の姿がおぼろげながら見えてくる。

 ただし、現状でCanary Channelから得られる情報は限られている。例えば7月12日に同チャネル向けに配信された「Windows 11 Insider Preview Build 25905」では、「Arm32 UWP App deprecation」というトピックに触れられている。

 既に5月の時点で予告されているが、Arm32のサポート廃止計画にともない、同ビルドを適用したWindows 11以降ではArm32ベースのUWPアプリの実行が不可能になる。

 もともと、現行のWindows for Armのアーキテクチャでは64bitベースとなっている。既存のアプリは(設定の上)再コンパイルするだけではあるが、実質的な世代交代となる。

 この記事でも指摘されているように、一部報道ではWindows 12の最低要求メモリが8GBに引き上げられるという話があったが、Microsoftからそれを示唆するような情報は出ておらず、現時点では不明だ。

 とはいえ、「Microsoft 365 Copilot」に続いて「Windows Copilot」が発表されたように、今後はクラウド上での動作を想定した“Copilot”のみならず、ある程度オンデバイスでの動作を想定した“オフライン”機能が必要とされるようになってくるだろう。

 ゆえに、これを実行可能なGPUやNPUの比重が高まることが予想され、Windows 11でTPM 2.0対応やプロセッサの最低要件が引き上げられたように、実質的にハードウェアスペックの底上げが求められることになる。

Intelが買収したMovidiusのソリューションによる画像認識のデモンストレーション Intelが買収したMovidiusのソリューションによる画像認識のデモンストレーション。もともとはUSBなどを介した拡張カードとして提供されていたが、Meteor Lakeへの内蔵を機に単体販売を終了し、プロセッサの機能の一部として提供が行われる

 Intelプロセッサでは、最新世代にあたる「Meteor Lake」(開発コード名)が間もなく正式リリースされることになるが、同プロセッサの特徴の1つは「VPU」の標準搭載だ。筆者が見たデモンストレーションでは画像処理に利用していたが、今後はこうした周辺プロセッサを活用するアプリケーションが増え、OSもまたそれに合わせて進化する必要が出てくる。

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